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新型コロナは「インフルエンザ化」まで収束しない

感染爆発が終わる時期と、今後の対策のあり方を見定める

唐木英明 東京大学名誉教授、公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長

 中国政府は、社会と経済に対する影響の大きさを考慮して、2月17日に都市間の交通制限を終了するなど、対策を多少緩和している。企業活動は一部再開し、北京市内も人出が増えたという。しかし、大部分の人は免疫を持っていないので、問題が解決したわけではない。実際に、中国全土の感染者数は3月中旬から増加に転じ、少なくともその一部は海外から感染者が入国したためという。日本でも海外旅行からの帰国者に感染が続いている。

ワクチンはすぐにはできない

 中国の武漢でも、韓国の大邱でも、爆発的な感染拡大の対策として、都市の封鎖、集会の禁止、外出禁止、店舗閉鎖などの強硬な措置が実施されている。感染拡大が続くヨーロッパ各国も同様の措置をとっている。これで感染拡大は一時的には終了するが、そのような措置を長期間続けることはできない。といって、対策を緩和すれば、再び感染は拡大する。集団免疫を獲得するまでは、問題は解決しないのだ。すると、解決法は2つに絞られる。

 第1の方法は、ワクチン開発である。効果がある安全なワクチンを開発して大量生産し、世界に供給するまでには1、2年かそれ以上の時間がかかる。専門家会議は「長期戦を覚悟する必要がある」と述べているが、長期とはこの程度の長い年月になる可能性があるのだ。また、現在の厳しい対策を続けていても、感染爆発が起こる可能性があることを専門家会議は警告している。それでは、どうしたらいいのだろうか。

「新型コロナのインフルエンザ化」とは

 感染爆発を恐れる理由は、医療機関の対応能力を超える多数の感染者が発生することで医療崩壊が起こることである。逆に言えば、医療崩壊を防ぐことができれば、感染爆発はそれほど恐れることはない。それが第2の方法である「新型コロナのインフルエンザ化」という考え方だ。

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筆者

唐木英明

唐木英明(からき・ひであき) 東京大学名誉教授、公益財団法人「食の安全・安心財団」理事長

1964年東京大学農学部獣医学科卒。農学博士、獣医師。東京大学農学部助手、同助教授、テキサス大学ダラス医学研究所研究員などを経て、東京大学農学部教授、東京大学アイソトープ総合センターセンター長などを務めた。2008〜11年日本学術会議副会長。11〜13年倉敷芸術科学大学学長。著書「不安の構造―リスクを管理する方法」「牛肉安全宣言―BSE問題は終わった」など。

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