新規感染者の増加を抑えるために、もう一段の感染防止対策を
2020年03月29日
3月26日現在、新型コロナの1日当たりの感染者数が500人を超えている国は、世界保健機関(WHO)が把握しているだけで、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、スイス、英国、オランダ、オーストリア、米国、ブラジルの10か国である。中国、韓国、イタリアは感染爆発を起こし、厳重な対策により収束に向かっているものの、その他の国が同様の危機的な状況に向かっているように見える。そして、日本も例外ではない。
新型コロナの恐ろしい点は、感染速度が速く、医療機関が受け入れられないほど多数の感染者が短期間に発生する感染爆発が起こり、医療崩壊に陥ることである。
感染者の8割程度は軽症あるいは無症状で、風邪程度の治療で完治する。しかし2割程度は重症になり、高度の医療が必要になる。もし、重症者だけを指定病院に入院させれば、利用できるベッド数は一気に5倍になる。厚労省は、感染爆発を見込んで、軽症と無症状の感染者は自宅療養に切り替えることにした。この処置で、1日に1000人の感染者が出ても、重症者は200人なので、3週間は受け入れができる。その後は、退院と入院のバランスが取れれば、なんとか対応ができるだろう。逆に言えば、感染者数は多くても1日1000人以内に抑える必要があるのだ。
日本でも新規感染者の数は右肩上がりに増加しているが、今のところは他国に比べれば、まだ緩やかな増加に抑えられている。日本はなぜ感染爆発を起こさなかったのか。
日本では1人の感染者が1.08人程度に感染させている。この数字の違いのため、日本の感染者の増加はイタリアよりずっと抑えられていえる。しかし、それでは感染爆発は起こらないのだろうか。
日本では感染爆発が起こらないと思っている人もいるが、そうではない。増加の速度が遅いだけで、日本でも必ず感染爆発が起こる。それはいつなのか?
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