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新型コロナで露呈した報道関係者の甘いリスク管理意識

記者会見、取材、番組づくり……どれも従来の慣習からの脱却が必要だ

須藤靖 東京大学教授(宇宙物理学)

拡大新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の会見=2020年4月1日、東京・霞が関、川村直子撮影
 現時点において、万が一、行政のトップが感染する事態となれば、その影響は甚大だ。すでに、国外でそのような例が相次いでいることは周知のはず。この種の会見こそ、マスク着用などではなく「無観客」中継あるいはそもそもすべてオンラインとすべきだ。

 私の印象では、マスコミ関係者はオンライン対応に遅れている。最近、ある問題について数件の取材を受ける機会があったが、まず直接会って話を聞きたいと打診される。おそらくこれは記者として入社以来、正確な取材をする上でのイロハのイとして叩き込まれてきたのだろう。しかし、この状況ではその常識こそ直ちに変えるべきである。オンラインでは十分な質疑ができないという意見も聞く。自分が本当にそうなのであれば、それが可能な若手記者に交代すべきだ。

取材でマイクを口元へ向けない

 外出自粛要請が出た週末に出歩く若者への取材映像が繰り返し流れている。また、感染拡大している外国から帰国した人々が、成田空港でインタビューされる姿も報道されている。特にワイドショーなどでは、「このような若者が無症状のまま感染拡大させている。もっと自覚すべきだ」とか「空港から公共交通機関で帰宅してしまっていないのか」などといった懸念が述べられる。確かにそうかもしれない。

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筆者

須藤靖

須藤靖(すとう・やすし) 東京大学教授(宇宙物理学)

東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。1958年高知県安芸市生まれ。主な研究分野は観測的宇宙論と太陽系外惑星。著書に、『人生一般二相対論』(東京大学出版会)、『一般相対論入門』(日本評論社)、『この空のかなた』(亜紀書房)、『情けは宇宙のためならず』(毎日新聞社)、『不自然な宇宙』(講談社ブルーバックス)などがある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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