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続・授業こそコロナ拡大を防ぐセーフティーネットだ

感染対策を新たな大学授業の改革へと反転させよう

安居光國 室蘭工業大学くらし環境系准教授

 都市部を中心に新型コロナウイルスの感染者の増加は収まる気配が見られない。そのため授業開始をゴールデンウィーク後に遅らせた大学が多い。だが実際に授業を再開できるかは未知数だ。感染増加地区から移動してくる大学生に、観察期間を求めず、連休が明けるとすぐにキャンパスに迎え入れることにはリスクを伴うだろう。

拡大各地の大学が相次いで、学内への入構制限やオンライン授業への変更を発表している
 4月3日に本サイトで「授業こそコロナ拡大を防ぐセーフティーネットだ」を発表した。中長期的な視点で見ると、大学で授業を開くことが新型コロナの感染拡大を防ぐ効果を持つことを発信した。これを読んだ大学教員から「これまで大学が教育責任を果たすことだけに目を向けていた」「研究はグローバルでも大学は地域によって支えられていることを再認識した」との感想がもっとも多く寄せられた。だが決して、即座に教室での授業を再開できるわけではない。

 また、大学生からは「気を許すと街をプラプラするかもしれないと自分のことを言われたと思った」と正直なコメントもあった。ある方は「すぐに息子に知らせて読ませた」と話された。これらの感想を聞くなかで、いまの大学の授業が昔とは大きく変わっている現状をご存じない方が多いことも知った。これらのことを併せて、続編として論じてみる。

いまでは一変した大学教育の風景

 大学生は週に数日しか大学に行かず、教室ではおしゃべりばかりしている……。もしそんなイメージを持っておられたら、それはステレオタイプな描写をするテレビドラマの中だけの世界だと、どうか考え直していただきたい。教授が古いノートをただ淡々と読み上げるような古色蒼然とした情景などは、いまの大学にはない。

 ここで、とくに中高年以上の世代のみなさんに向けて、一つ質問してみたいことがある。次の言葉をいくつご存知だろうか。

GPA 反転授業 アクティブ・ラーニング ファカルティ・デベロップメント アドミッションポリシー カリキュラムポリシー ディプロマポリシー PBL インストラクション・デザイン ラーニングアウトカム キャップ制 ナンバリング ティーチングアシスタント ピアサポート ラーニングコモンズ ルーブリック……

 これらは大学などが取り組んできた教育改革にまつわる用語である。カタカナ語が多いことに、拒絶反応を持たれる方もいるかも知れない。意味がすぐに通じにくいことは確かに残念ではある。だが重要なのは、その内容だ。目指すは教育の質保証である。

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筆者

安居光國

安居光國(やすい・みつくに) 室蘭工業大学くらし環境系准教授

1958年生まれ。大阪大学理学部大学院生理学専攻博士課程修了、理学博士。専門は微生物応用,技術者倫理,教育工学。バイオマス利用研究のほか、教育改善方法、研究公正を検討している。日本工学教育協会・技術者倫理調査研究委員会委員として次世代の技術者教育を研究している。

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