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発がん性物質を含んだ泡消火剤、普天間基地から大量に

地元による立ち入り調査に、日米地位協定の壁

桜井国俊 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

 河野太郎防衛相は、4月14日の記者会見で、在日米軍は有機フッ素化合物を含まない泡消火剤への切り替えを検討しているが、なかなか代替消火剤がなく、まだ少し時間がかかるかもしれない、と苦し紛れの説明を行ったのである。

11日後にようやく立ち入り調査

 かつてないほど大量の泡消火剤の基地外への漏出という事態に、県と地元の宜野湾市は米軍基地への立ち入り調査を申し入れ、事故発生から11日目の4月21日にようやく実現した。基地で起きた環境事故を県側が環境補足協定に基づき調査するのは、これが初めてである。

 立ち入りでは、漏出現場を調べ、排水路の3地点から取水したが、県が求める土壌調査は行われなかった。漏出事故があった4月10日以降、同飛行場周辺では立ち入り調査当日も含め雨天が続いた。11日後にもなっての立ち入り調査にどこまで実効性があるのか疑問である。

拡大泡消火剤の漏出を奉ずる琉球新報紙=2020年4月11日付

 沖縄におけるPFOS汚染問題には、長い背景と経緯がある。深刻だったのは、嘉手納基地の周辺だ。

 45万の沖縄県民が給水を受けている北谷浄水場の水源の比謝川などが有機フッ素化合物PFOSで汚染されていることが明らかになり、汚染源は嘉手納基地に違いないと推定されると沖縄県企業局が発表したのは、今から4年前の2016年1月19日のことであった。嘉手納基地内を通って比謝川に注ぐ大工廻川で同物質が恒常的に高濃度で検出されること、周囲にはPFOSを使用する工場などが見当たらないことなどから、県企業局は沖縄防衛局を通じ、米軍嘉手納基地への立ち入り調査を求めてきた。だが、今日に至るまで調査は実現していない。

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筆者

桜井国俊

桜井国俊(さくらい・くにとし) 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

1943年生まれ。東京大学卒。工学博士。WHO、JICAなどでながらく途上国の環境問題に取り組む。20年以上にわたって、青年海外協力隊の環境隊員の育成にかかわる。2000年から沖縄暮らし。沖縄大学元学長。

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