軍隊の有無がもたらした感染拡大の違い
2020年08月03日
沖縄の「国際通り」は、かつてアーニーパイル国際劇場があったことからこの名がついたが、戦後の焼け野原から目覚しい発展を遂げたことと、長さがほぼ1マイルであることから、「奇跡の1マイル」とも呼ばれる那覇のメーンストリートとなった。現在、その両側に470軒ほどの店が並ぶが、コロナ禍で土産品店や居酒屋など40店舗が閉店に追い込まれ、臨時休業中のドラッグストアや飲食店なども40店舗近く確認されている。
そこに冷水を浴びせたのが7月8日の新規感染者1名の発生であった。県外で接触し、沖縄県内にもどっての発症である。その後、県外者との接触などで感染者が相次いで発生し、7月21日までの2週間に13名の感染者が確認され、沖縄での累計の感染者数は153名となった。
それに追い打ちをかけたのが在沖海兵隊における爆発的な感染者の発生で、7月20日までの累計感染者数は143名である。7月4日の米国独立記念日に基地外各地で無許可のビーチパーティーが開催され、マスクなしの三密状態での大騒ぎが感染爆発に寄与したとの見方が強い。米国は感染者数と死者数が世界最多で、現在、日本への入国拒否の対象国だ。
そして7月22日からGoToトラベルキャンペーンが迷走スタートした。最大の感染地の東京を除く46道府県が対象であるが、沖縄はGoToでも人気の旅行先である。観光県沖縄としては、観光客は喉から手が出るほど待ち遠しいが、県をまたぐ移動には大きな不安が伴う。それに、米軍基地でのクラスター発生が旅行先としての沖縄にどのようなマイナスイメージを与えるかという懸念もある。玉城知事は、GoToに備え、7月22日から那覇空港で唾液による抗原検査を任意で実施すると発表している。
コロナが影響するのは観光業だけではない。沖縄の県民の主要関心事の辺野古新基地建設を巡ってもコロナが重大な影響を与えている。
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