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台風10号の厳重警戒 議論を封じずに教訓の整理を

予報の「空振り」を、「避難訓練」や「けしからんこと」だけで終えないために

黒沢大陸 朝日新聞大阪本社編集局長補佐

精度の向上が自信に?

 台風襲来を前にした気象庁の呼びかけを振り返る。

「特別警報級」と警戒呼びかけ 最初に気象庁担当をしていた1998年当時、主任予報官が記者会見で厳重な警戒を呼びかけながらも、台風がだいぶ接近するまでは「上陸の恐れがある」とは、なかなか言わなかった。3日先の予報円が陸域にかかっていて、その可能性を尋ねても「まだ、わからない」と慎重に言われた。デスクからは「上陸の恐れと見出しにできないか」とせっつかれた。

拡大日本列島を覆う超大型のサイズになった2017年の台風21号=ひまわり8号撮影、NICT提供
 一方、2度目の気象庁担当をしていた2002年には、接近する台風21号について、気象庁が「首都圏に上陸する台風としては戦後最大級の勢いになる可能性がある」と表現した。この言葉にメディアが飛びついたことは言うまでもない。「首都圏に上陸する台風としては」という限定条件がありながらも、「戦後最大級」が一人歩きした。
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筆者

黒沢大陸

黒沢大陸(くろさわ・たいりく) 朝日新聞大阪本社編集局長補佐

証券系シンクタンクを経て、1991年に朝日新聞入社。社会部、科学部、名古屋報道センターで、災害や科学技術、選挙、JR、気象庁、内閣府などを担当。科学医療部やオピニオン編集部のデスク、編集委員(災害担当)、大阪本社科学医療部長などを経て、2020年から現職。著書に『「地震予知」の幻想』『コンビニ断ち 脱スマホ』、編著に「災害大国・迫る危機 日本列島ハザードマップ」、共著に「政治家よ 不信を超える道はある」など。

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