メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

容量市場は、再エネ潰しの最終秘密兵器だ

大手電力には棚ぼた利益、ツケは国民の電力料金に転嫁

明日香壽川 東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授

 その問題点を具体的に述べる。

①1基で毎年60億円の棚ぼた利益

 容量市場によって、すでに投資回収している原発や石炭・石油火力発電などに、発電能力を維持するためだけに、経過措置などを考慮しても1基(100万kW想定)あたり毎年約60億円が実質的な補助金として供与される。

容量市場によって原発や石炭火力などの発電設備に巨額の資金が流れる。写真は玄海原発=2020年3月、佐賀県玄海町、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影  拡大容量市場によって原発や石炭火力などの発電設備に巨額の資金が流れる。写真は玄海原発=2020年3月、佐賀県玄海町、朝日新聞社ヘリから、堀英治撮影
まさに棚ぼた利益であり、その原資は、消費者が払う電気代の値上げ分である。例えば東電の場合、約4000万kWの火力発電設備を保有しているので毎年約2400億円という巨額な補助金が新たに消費者(国民)から東電に
・・・ログインして読む
(残り:約1937文字/本文:約2709文字)


筆者

明日香壽川

明日香壽川(あすか・じゅせん) 東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授

1959年生まれ。東京大学工学系大学院(学術博士)、INSEAD(経営学修士)。電力中央研究所経済社会研究所研究員、京都大学経済研究所客員助教授などを経て現職。専門は環境エネルギー政策。著書に『脱「原発・温暖化」の経済学』(中央経済社、2018年)『クライメート・ジャスティス:温暖化と国際交渉の政治・経済・哲学』(日本評論社、2015年)、『地球温暖化:ほぼすべての質問に答えます!』(岩波書店、2009年)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

明日香壽川の記事

もっと見る