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辺野古・新基地建設の海にジュゴンの鳴音か

脆くも崩れる国家戦略の地域イメージ いま求められる環境DNA調査

桜井国俊 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

 従来は、海や川に生息する魚の種類を調べるには、水中に潜って魚を観察したり、網などの漁具を使って魚をとったりと、大きな労力と費用をかけて長期間にわたって調査する必要があった。しかし2015年に同財団が千葉県立中央博物館などと共同開発したこの方法を用いれば、ある水域に生息する魚の多様性を、大きな労力や時間をかけずに長期間かつ広範囲にモニタリングできる。生物多様性の島である沖縄が先頭に立って、多様性の保全に資する技術革新を進めたことは意義深い。

なぜ環境DNA調査をしないのか

 海中の環境DNA調査がジュゴンについても有効であることは確認されている。IUCN(国際自然保護連合)の専門家グループが環境DNAを用いて南西諸島におけるジュゴンの存否確認を立案していることを踏まえ、沖縄県は今帰仁村運天漁港の防波堤に漂着したジュゴンの個体Bの死体を用いて環境DNA分析によるジュゴン分布調査の実現を目的とした予備調査をした。その結果、開発されたばかりの手法であるが沖縄に生息する個体にも問題なく適用できることが確認できたとし、個体数が極めて限られる沖縄のジュゴンの分布域推定につながる技術であると位置づけている。(沖縄県環境部自然保護課「平成31年度ジュゴン保護対策事業報告書・概要版」)

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筆者

桜井国俊

桜井国俊(さくらい・くにとし) 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

1943年生まれ。東京大学卒。工学博士。WHO、JICAなどでながらく途上国の環境問題に取り組む。20年以上にわたって、青年海外協力隊の環境隊員の育成にかかわる。2000年から沖縄暮らし。沖縄大学元学長。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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