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石垣島の陸上自衛隊配備計画が強いる「地方自治の危機」

住民投票の実施を求める訴えを、那覇地裁が門前払い

桜井国俊 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

 宮良川の表流水・地下水は石垣市に暮らす人々の飲料水源、農業用水源となっており、その保護が極めて重要だからである。軍事基地の持つ秘密性のゆえに、どのような化学物質が流出するかを島民が容易には知ることができない恐れがあり、ひとたび汚染してしまえばそれを元に戻すのは至難の業だからだ。

拡大石垣島民の水源の宮良川

 当時、沖縄県の改正環境影響評価条例の適用猶予期間中に陸上自衛隊施設建設が駆け込みで着手されることが懸念されていた。そこで提言では、県条例によって法的にアセスが求められるか否かにかかわらず、石垣市政は市民の生活の安全を守る観点に立ち、施設建設に先立つ環境アセス(場合によっては自主アセス)を沖縄防衛局に求めるべきだとしたのである。

 残念ながら筆者らの危惧が的中し、国はアセスを回避して工事に着手し、石垣市政はそれを容認したのである。

「石垣市住民投票を求める会」の取り組み

 石垣にミサイル部隊が配備されて標的の島、軍事要塞の島となり、カンムリワシなどに象徴される貴重な自然環境が破壊され、宮良川の表流水・地下水が取り返しのつかない形で汚染されることを危惧したのは若い島民たちであった。彼らは「石垣市住民投票を求める会」をつくり、運動を展開した。代表の金城龍太郎さん(30歳、マンゴー農家)をはじめ、ハーブ農家や畜産農家、会社員などの20代を中心とする若いメンバーで構成されている。

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筆者

桜井国俊

桜井国俊(さくらい・くにとし) 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

1943年生まれ。東京大学卒。工学博士。WHO、JICAなどでながらく途上国の環境問題に取り組む。20年以上にわたって、青年海外協力隊の環境隊員の育成にかかわる。2000年から沖縄暮らし。沖縄大学元学長。

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