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やっぱり悩み深き『研究者の子育て』

修士課程で双子の親に!? 40歳から進学・出産!? 4人を育てつつ大学院受験!?

高山善光 日本の研究者出版代表、研究者

 子どもが2人いながら、李さんはこれまでに宮城から沖縄まで計4回、職場を変えている。そしてなんと、その度に奥さんも転職してきたという。だが子どもの小学校入学も近づいてきた最近では、家庭内で「生活環境はいつ安定するのか」という議題が持ち上がり、その度に鉄板焼きで心身を焦がされる思いがするのだとか。次の採用に落ちたら、アカデミックを離れる覚悟でもあるそうだ。

博士号の取得時は3児のパパ

 研究者は40歳を過ぎても不安定な雇用状況にいるケースが少なくない。もしかしたらこの状況は、少子化からなかなか抜け出せないこの国の縮図ではないか。ただ、なかには飛び抜けて例外的な成功体験もある。博士号を取得した時にはもう3児のパパになっていた田畑諒一さんだ。

 おそらく大学院とか研究者の事情についてある程度の知識がある読者ならば、この「博士号取得時に3児のパパ」という言葉にぶっとんで、「これは小説か何か?」と勘違いしてしまうだろう。しかし、これは田畑さんに実際に起こった話。先に断っておくと、通常は博士号を取得する時はアラサーくらいの年齢なので、ふつうの生活ならば子ども3人はありえない話というほどでもない。

拡大『研究者の子育て』から。漫画・保坂あけみ
 たが研究者となると話は別だ。日本の大学院生は、ほぼ一般の大学生と金銭的な生活水準と変わらない。日本学術振興会に研究奨励費を申請して採用されれば、月20万がもらえてようやくアルバイト生活から脱し、研究に集中できる。
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筆者

高山善光

高山善光(たかやま・ぜんこう) 日本の研究者出版代表、研究者

1987年、福島県郡山市生まれ。哲学・宗教学の分野で博士号を持つ。大学非常勤講師をしつつ、2019年に研究の力で社会を良くすることを目的とした日本の研究者出版を立ち上げる。IT関連の技術・サービスにも興味があり、データサイエンティストとしての顔を持つ。現在は仕事の合間に論文を書いている。

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