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ロヒンギャ難民のために何ができるか

小学生から大人までが、この問題を知って考えてみた

細田満和子 星槎大学大学院教授

拡大セサミストリートが作ったロヒンギャの子どものキャラクター
 米国の子ども向けテレビ番組であるセサミストリートが、難民になったロヒンギャの子どもたちのために双子のキャラクターを作った(BBCニュース)。1980年の国籍剥奪に始まるミャンマー政府からの迫害や2017年の数千人規模のジェノサイド(虐殺)によって、ディアスポラ(民族離散)の状態になったロヒンギャ。隣国バングラデシュ・コックスバザールの難民キャンプには100万人近くのロヒンギャが暮らし、その半数は子どもだと言われる。この世界最大の難民キャンプにいる子どもたちのために、国際援助機関がロヒンギャ語(ベンガル語のチッタゴン方言の一つ)の番組ビデオを作ったのである。ロヒンギャとは、一般にロヒンギャ語を話すイスラム系少数民族を指す。

 バングラデシュ政府は難民キャンプにいるロヒンギャのうち10万人をベンガル湾の島バシャンチャールへ移住させる計画を立て、2020年12月にまず約1000人を移送した。しかしこの島は低地で、サイクロンによる暴風雨や高潮による浸水の恐れがあると、国連やNGOから懸念が示されている。「強制的に連れてこられた」という証言もあり、この島が安住の地でないことは明らかだ。

 こうしたニュースに触れるたび、今世紀最大の人道的問題の解決に向けて、国際社会はもっと動かなければと痛感する。日本にいる私たちができることは何かといえば、まずはロヒンギャの方々の苦難を知ることだと思う。ささやかではあるが、そのための活動を続けているので、ここに紹介したい。

小学生から社会人まで参加したオンラインイベント

 私が代表理事を務めるIAFA (Inclusive Action for All)は、2020年11月14日に「世界を知るプロジェクト・ロヒンギャを知る」のオンライン・ワークショップを実施した。ここには小学生から高校・大学生、社会人まで31人が参加してくれた。

 第1部は、ゲストスピーカーの方々の講演で、まず日下部尚徳氏(立教大学)が迫害の経緯やコックスバザールの難民キャンプの様子について伝えた。カナダ在住のロヒンギャ女性であるヤスミン・ウラさんは、ミャンマーからタイを経てカナダにたどり着いたライフストーリーを話した。群馬県館林市に住むロヒンギャのアウン・ティン氏と高校生の息子まもる君は、日本在住ロヒンギャ約300人の抱える問題や将来について話した。そして、ロヒンギャ支援のクラウドファンディングを実施して成功を収めた群馬県在住の小学生が、支援を始めたきっかけや取り組みの様子などについて語った。

 第2部は、

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筆者

細田満和子

細田満和子(ほそだ・みわこ) 星槎大学大学院教授

東京大学大学院人文社会系研究科で博士(社会学)を取得し、2004年からコロンビア大学、ハーバード大学で社会学、公衆衛生学、生命倫理学の研究に従事。2012年に帰国し星槎大学に着任。主著書は『パブリックヘルス』、『グローカル共生社会へのヒント』など。世界社会学会医療部会会長。アジア太平洋社会学会会長。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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