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伊藤穣一氏が辞任したMITメディアラボ「スキャンダルのその後」

問題ある人物から研究費のオファーがあったら、どうする?

下條信輔 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

 米国の報道では、メディアラボが伊藤氏の指揮の下、エプスタインとの関係の広がりを隠そうとしたと見られている(ニューズウィーク日本版2019年09月18日など)。「伊藤と他のラボ職員は、エプスタイン本人や彼が関わった寄付からその名前を切り離すため、多くの措置を講じた」などと指摘された。伊藤氏は記事内容を否定したが、直後にメディアラボの所長を辞任。スター起業家の名声は一瞬にして失墜した。

拡大MITのリポート「ジェフリー・エプスタインとMIT」

 その後、2020年の年明け(1月10日)にはMITが「ジェフリー・エプスタインとMIT」と題するリポートを公開した。それによれば、MIT学長と法人執行委員会が、法律事務所に事実関係の調査を依頼、59人にのべ73回インタビューし、61万の文書やメールをチェックした(グッドウィン・プロクター・リポート)。その目的は、次の諸点について事実関係を明らかにすることにあった。

  1. 寄付の内容(回数、金額)
  2. MITの上級幹部の誰がこの寄付を推進、あるいは承認したのか
  3. いつ、またなぜエプスタインはMITを訪問したのか
  4. MITのリーダーはこうした訪問を知っていたか、また承認したか など

 エプスタインの寄付総額については当初、学長が80万ドルと推定したが、結局は総額85万ドル(約9千万円)に上ることがわかった。該当する額を、性的暴力・虐待の被害者のために寄付する予定だとしている。

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筆者

下條信輔

下條信輔(しもじょう・しんすけ) 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授。認知神経科学者として日米をまたにかけて活躍する。1978年東大文学部心理学科卒、マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。東大教養学部助教授などを経て98年から現職。著書に『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書)『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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