自民議員の新著「原発のない国へ」に見る内部変化の可能性
2021年01月19日
自民党議員の新著が話題になっている。著者は秋本真利・衆議院議員(無派閥、45歳)で、タイトルは、「自民党発!『原発のない国へ』宣言」。「原子力はいずれコストの面から競争力を失う。再エネを増やそう」との立場を鮮明にした本だ。ちょうど今、菅首相が掲げた「2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする」では原発をどうするかが最大のテーマになっている。若手エネルギー族議員の脱原発の宣言は、単発的な異論なのか、政策を内部から変える力に育つものなのか。
秋本氏は、同僚議員から「すごいタイトルの本を出しましたね」と言われるという。本の内容をかいつまんで紹介すれば…。
本のタイトルは脱原発だが、大半のページは再生可能エネルギーの紹介と、その経済的な優位性の説明に費やされている。原発と再生エネの関係については、「急速に普及拡大する再生可能エネルギーによって、原発は近い将来、必然的にエネルギー市場から淘汰されると考えています」としている。
現在自民党には、再エネを専門に扱う部会はなく秋本議員は、16年にできた再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(事務局長は秋本氏)を活動の中心にしている。勉強会を開き、再エネ事業者の声を聞き、小さな政策変更に対しても意見を持ち、経済産業省など役所と折衝する。こうしたふだん外部からはあまり見えない政権内部での政策づくりの活動が書かれている。
その活動について、秋本氏は「国のエネルギー政策を動かしていくには、与党議員を『活用』していただく方が早道です」と書いている。
北海道電力は2016年、北海道内に風力発電所を建設しようとする事業者に、出力変動の修正用として発電所に巨大な蓄電池をつけるなど過大な設備を要求した。秋本議員は「過剰だ」として
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