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大村博士発見のイベルメクチンにコロナパンデミックを終息させる可能性

世界各地から「効果あり」の報告、日本はもっと積極的に取り組むべき

黒川清 政策研究大学院大学名誉教授

 大村智・北里大学特別栄誉教授が発見した寄生虫病の特効薬イベルメクチンが、新型コロナウイルスの治療と予防に効いているという医学報告が世界各地から多数あがっている。コロナパンデミックを終息させる切り札になるかもしれないという見方さえ出てきた。イベルメクチンの「発見国」の日本は、もっと積極的にこの薬の効能判定に関わり、世界に先駆けて処方(薬の使用法)を確定し、コロナ治療・予防薬としてイベルメクチン使用を進めるべきだと考える。

米国の医師グループの驚くべき報告

拡大FLCCCのホームページに掲載されているピエール・コリー会長(左)の解説動画の一場面
https://covid19criticalcare.com/media/flccc-lecture-for-ypo-gold-on-ivermectin/
 2020年12月8日、米上院国土安全保障と政府問題に関する委員会で証言に立った「新型コロナ救命治療最前線同盟」(FLCCC=Front Line COVID-19 Critical Care Alliance)代表のピエール・コリー会長は、「政府機関は早急にイベルメクチンの効果を評価し、処方を示すべきだ」と迫った。

 アメリカを中心としたこの医師団は、昨年春から世界中で使用されているイベルメクチンの臨床試験の情報を集めて分析し、Web上で公表してきた。委員会でのコリー会長の発言は衝撃的だった。イベルメクチンを投与した臨床試験の成果の部分だけをあげてみる。

① 患者の回復を早め軽症から中等症の患者の悪化を防ぐ
② 入院患者の回復を早め、集中治療室(ICU)入室と死亡を回避させる
③ 重症患者の死亡率を低下させる
④ イベルメクチンが広く使用されている地域では、コロナ感染者の致死率が著しく低い

などだ。

 さらに会長は、過去40年間にわたって抗寄生虫病として処方されたイベルメクチンの副作用はきわめてまれであり、あっても軽度であったこと、さらに世界保健機関(WHO)は「必須医薬品リスト」にイベルメクチンを入れてきたことなどを強調した。そのうえで、国立保健研究所(NIH)、米国疾病予防管理センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)などは早急にイベルメクチン臨床試験を確認し、医師と医療機関に処方ガイドラインを発行するように求めた。

 コリー会長らがまとめたイベルメクチンの医学報告は、論文サイトから閲覧できる。

 ここではその中からいくつかの報告をかいつまんで紹介する。

エジプト、イラクなどから続々と「効果あり」

 表1に、入院患者に対するイベルメクチンの有効性を評価した臨床試験の概要を示した。

 例えば最初のエジプトの研究グループによる報告では、中等症と重症の患者200人ずつのうち、100人にイベルメクチンを投与し、残る100人は投与せずに比較したところ、イベルメクチン投与群は非投与群(コントロール)に比べて高率で悪化を防ぎ、死亡率も2%と20%というように大きな違いが出ている。

拡大表1 イベルメクチンの有効性を調べた臨床試験

 2番目のイラクの例では70人にイベルメクチンとドキシサイクリンという抗菌薬を投与し、投与しなかった70人の患者と比べたところ、投与群の重度患者の死亡率はゼロだったのに対し、非投与群は27.3%だった。

 3番目以降のインド、バングラディシュ、米国などの報告をみても、入院日数の短縮や死亡率の軽減に効果をあげている。

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筆者

黒川清

黒川清(くろかわ・きよし) 政策研究大学院大学名誉教授

1936年生まれ。東大医学部卒、医学博士。内科医としてペンシルベニア大学勤務にはじまりUCLA医学部内科教授など在米14年の後、東大医学部内科教授、東海大医学部長などを歴任。日本学術会議会長、第一次安倍内閣、福田内閣で日本初の科学担当の内閣特別顧問に就任。2013年の英国のG8サミットで発足した世界認知症審議会委員を務めている。特定非営利活動法人「日本医療政策機構」代表理事

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