世界各地から「効果あり」の報告、日本はもっと積極的に取り組むべき
2021年02月15日
大村智・北里大学特別栄誉教授が発見した寄生虫病の特効薬イベルメクチンが、新型コロナウイルスの治療と予防に効いているという医学報告が世界各地から多数あがっている。コロナパンデミックを終息させる切り札になるかもしれないという見方さえ出てきた。イベルメクチンの「発見国」の日本は、もっと積極的にこの薬の効能判定に関わり、世界に先駆けて処方(薬の使用法)を確定し、コロナ治療・予防薬としてイベルメクチン使用を進めるべきだと考える。
アメリカを中心としたこの医師団は、昨年春から世界中で使用されているイベルメクチンの臨床試験の情報を集めて分析し、Web上で公表してきた。委員会でのコリー会長の発言は衝撃的だった。イベルメクチンを投与した臨床試験の成果の部分だけをあげてみる。
① 患者の回復を早め軽症から中等症の患者の悪化を防ぐ
② 入院患者の回復を早め、集中治療室(ICU)入室と死亡を回避させる
③ 重症患者の死亡率を低下させる
④ イベルメクチンが広く使用されている地域では、コロナ感染者の致死率が著しく低い
などだ。
さらに会長は、過去40年間にわたって抗寄生虫病として処方されたイベルメクチンの副作用はきわめてまれであり、あっても軽度であったこと、さらに世界保健機関(WHO)は「必須医薬品リスト」にイベルメクチンを入れてきたことなどを強調した。そのうえで、国立保健研究所(NIH)、米国疾病予防管理センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)などは早急にイベルメクチン臨床試験を確認し、医師と医療機関に処方ガイドラインを発行するように求めた。
コリー会長らがまとめたイベルメクチンの医学報告は、論文サイトから閲覧できる。
ここではその中からいくつかの報告をかいつまんで紹介する。
表1に、入院患者に対するイベルメクチンの有効性を評価した臨床試験の概要を示した。
例えば最初のエジプトの研究グループによる報告では、中等症と重症の患者200人ずつのうち、100人にイベルメクチンを投与し、残る100人は投与せずに比較したところ、イベルメクチン投与群は非投与群(コントロール)に比べて高率で悪化を防ぎ、死亡率も2%と20%というように大きな違いが出ている。
2番目のイラクの例では70人にイベルメクチンとドキシサイクリンという抗菌薬を投与し、投与しなかった70人の患者と比べたところ、投与群の重度患者の死亡率はゼロだったのに対し、非投与群は27.3%だった。
3番目以降のインド、バングラディシュ、米国などの報告をみても、入院日数の短縮や死亡率の軽減に効果をあげている。
イベルメクチンは、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください