間近で見てきた電気電子系学生の就職活動
2021年02月12日
昨年3月、ヨーロッパで都市封鎖が始まったとき、イタリアの南東部の都市バーリの市長が海辺で卓球をしていた若者二人に「家帰ってプレステでもしていろ!」と叱責する映像が流れた。ソニーブランドが世界に浸透している証でもあった。
就活生はもちろん、学生を預かっている大学教員としては、ソニーが来年度の採用を増やすかどうかは気になるところである。本稿では、狭い領域で恐縮だが、電気電子系学生の就職について、体験を通して得た知見を少しばかり紹介したい。
ある年、ソニーに入りたくて筆者の研究室を志望してきた学生がいた。PCやカメラなど、持ちもののほとんどがソニー製という筋金入りのソニー信者であった。念願叶ってソニーから内定を受けたその学生は、嬉しさを抑えきれずに【速報】という件名で研究室宛にメールを配信した。
先ほどソニーから最終面接の結果連絡がありました。
合格しました!!
皆様には、いろいろな面でご協力いただき、ありがとうございました。
もう思い残すことはありません。
大学生活がとても充実したものだったと自信を持って言えます。
本当にありがとうございました。
2009年4月、彼は修士2年生に上がったばかりで、修了までまだ1年あった。フライング気味のこのできごとは研究室の語り草になっている。
2009年は筆者が就職担当をしていた年でもある。理工系の大学の場合、
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