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太平洋に降り注ぐ太陽エネルギーの活用に乗り出そう

低緯度太平洋を帆走する巨大ソーラー筏の構想

國生剛治 中央大学名誉教授(地盤災害工学・エネルギー工学)

赤道近辺の太平洋なら太陽がいっぱい

 我が国の膨大なエネルギー需要を自然エネルギーで賄うためには、もっとほかの可能性も追求し、多面化を図っていくことが必要である。我々が検討してきた「低緯度太平洋ソーラー筏発電」は、膨大なエネルギーを太陽光発電で得るものである。それには広大な面積が必要になるが、それを太平洋低緯度海域に求める。

 太陽光発電用の薄膜をはりつけた帆を張った筏を大量に連結し、太平洋の赤道近くで帆走しながら大規模発電する。それが技術的に可能であるという研究報告書はすでにまとまっている(中央大学理工学研究所プロジェクト研究2014年度報告書(2014):「低緯度太平洋ソーラーセル帆走筏発電システムの成立性」)。

 太平洋低緯度海域には1日あたりの日射量が年平均6.0 kWh/㎡以上の海域が帯状に広く拡がる。赤道から南緯15°には、面積でオーストラリア大陸を凌ぐ広大な海域が存在する(図-1)。年平均でこの値なので、季節に応じ最大日射を求めて筏船団が回遊すれば、8.0 kWh/㎡(国内平均の2倍以上)のエネルギーを得ることは十分可能である。常に低速で帆⾛回遊することで、定位置に固定された筏に⽐べ筏直下の海⽣⽣物など⽣態系に与える影響も最⼩化できる。また低緯度海域は高緯度より全般に風が弱く、年平均風速は3~7 m/sで風向も安定し、波も年間を通し1~2mと穏やかで(図-2)ある。

拡大図-1:低緯度太平洋の1日の日射エネルギー(年平均)。南太平洋公海にエネルギー高密度帯がある。
拡大図-2:太平洋北半球の平均波高(m)。低緯度海域は年間を通して平均波高1m程度と穏やか。

熱帯低気圧の危険性がほぼゼロの海域がある

拡大図-3:1985年~2005年に太平洋で発生した熱帯低気圧の軌跡(①~③のエリアに分かれる)  
 誰もが気になるのは熱帯低気圧(台風)だろう。
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筆者

國生剛治

國生剛治(こくしょう・たかじ) 中央大学名誉教授(地盤災害工学・エネルギー工学)

1969年東京大学大学院修了後、(財)電力中央研究所で27年勤務、1996年に中央大学都市環境学科へ。地盤災害工学・エネルギー工学を研究。中央大学での研究会で、太平洋の海象・気象データをまとめた江本永二氏(気象予報士)らと本構想を検討・提案。

 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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