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緊急報告:壊滅的な火災に見舞われたロヒンギャ難民キャンプ

バングラデシュのキャンプに住む若者から届いた痛切なメッセージ

細田満和子 星槎大学大学院教授

拡大燃えさかる炎=ロモン君提供

100万人近くが暮らすロヒンギャ難民キャンプでの大火事

 ミャンマー政府の迫害から逃れたロヒンギャ難民が100万人近く暮らすバングラデシュの難民キャンプで、大規模な火災が起きているというメッセージが3月22日に届いた。送ってくれたのは、ロモン(通称。本名はロヒンギャ風だが、身の安全のためにビルマ風の名前を使用している)君。以前『論座』で紹介したが、大学進学のタイミングだった2017年にロヒンギャ大虐殺が起きて難民キャンプに逃れ、今は小さな子どもたちに英語や算数をボランティアで教えている若者だ。

 彼から届いた写真や動画を見ると、事態の深刻さがひしひしと伝わってくる。3月23日の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表によると、少なくとも15人が死亡し、約560人が負傷した。まだ約400人の行方がわかっておらず、数万人が命の危険にさらされているといい、死者は大幅に増える可能性がある。また、約1万戸が焼失・倒壊し、約4万5千人が住む場所を失った。22日夕の時点で、現地の消防当局や難民救援当局による消火活動が続いている。

 国際移住機関(IOM)のビトリーノ事務局長は、数万人の難民が被災したと述べ、深い懸念を表明した。被害の全容はまだわからないが、緊急に国際社会が救援に入る必要性は明らかだ。ロモン君は、今一番必要なのは食糧だと訴えている。

火は瞬く間に燃え広がり、なすすべもなく

 バングラデシュ南東部のコックスバザールは、世界最大といわれる難民キャンプで、少数民族に対する軍の弾圧を受けて隣国ミャンマーから逃れてきた人々80万~90万人以上が暮らしている。ロヒンギャは、仏教徒の多いミャンマーにおいて、何世代にもわたって迫害を受けてきたイスラム教徒である。2017年8月のミャンマー軍による虐殺で、70万人とも言われるロヒンギャが隣国のバングラデシュに逃れた。

 その一人であるロモン君によると、

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筆者

細田満和子

細田満和子(ほそだ・みわこ) 星槎大学大学院教授

東京大学大学院人文社会系研究科で博士(社会学)を取得し、2004年からコロンビア大学、ハーバード大学で社会学、公衆衛生学、生命倫理学の研究に従事。2012年に帰国し星槎大学に着任。主著書は『パブリックヘルス』、『グローカル共生社会へのヒント』など。世界社会学会医療部会会長。アジア太平洋社会学会会長。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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