雄が雌の体表に寄生するチョウチンアンコウの仲間たち
2021年04月06日
ちょっとグロテスクな深海魚であるチョウチンアンコウの仲間は、最近の研究では世界の海に11科35属168種いるそうだ。水深が約200メートルより深い海の中を泳いで暮らし、よく知られるように頭の上から伸びたルアーの光で餌となる生き物をおびき寄せて食べるのだという(念のためだが、ここでチョウチンアンコウの仲間として扱う中に、鍋物の食材として好まれるアンコウやキアンコウなどは含まれない)。
こうしたチョウチンアンコウの仲間における「性的寄生」と呼ばれる現象は、1922年に初めて報告された。同種とはいえ雌雄は互いに異物なので、本来なら脊椎動物に備わった免疫系による排除のしくみが働きそうなものだが、実際にはそうならないのはなぜなのだろうか。
独マックスプランク研究所と米ワシントン大学の研究チームは昨年、この約100年前からの謎解きを進める上での注目すべき論文を米科学誌サイエンスに報告した。1匹の雌に8匹の雄が寄生したミツクリエナガチョウチンアンコウを採集して研究した経験を持つ東京大学大気海洋研究所の猿渡敏郎助教(魚類学)は、この論文について「チョウチンアンコウ研究の大きな大きな金字塔だ。雄が雌の体表に寄生した際に、なぜ拒否反応などが起きないのか。免疫系のしくみが解明された」と話す。その内容を探ってみよう。
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