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「規則正しいレイプ」に屈してしまう前に

わきまえない・女・子どもに向けられる、まなざし(下)

宮﨑紗矢香 株式会社大川印刷勤務、人間活動家

 「夜のSDGs」って何? 身の置きどころがない
わきまえない・女・子どもに向けられる、まなざし(上)
から続く

 今年はじめ、某青年会議所から、会社代表宛てにSDGsサロンの登壇依頼が入った。打ち合わせに同席したところ、ミスユニバーシティグランプリを受賞した現役女子大生も講師として招かれると知った。

SDGsのシンボルカラー(shutterstock.com)拡大SDGsのシンボルカラー(shutterstock.com)

 サロンを通じてSDGsの普及を目指すというが、第三者によって美の価値基準が決定づけられ、必然的に「選ばれる者」と「選ばれない者」が生まれるミスコンテストという催しは、それ自体、女性差別の温床でもある。その受賞者が、それも現役大学生というお墨付きの女性が、講師として招かれることのどこが「誰一人取り残さない」SDGsだというのか。

 主催者側に、全くの見当違いではないかと伝えた私は、文字通り、わきまえない女であっただろう。しかし、後日送られてきたチラシには案の定、笑顔の女子大生がセンターに陣取るよう配置され、そのほか全員男性の登壇者がその脇を固めていた。見出しは「SDGs活用で『選ばれる企業』に」。誤解を恐れずに言えば、軽蔑してしまった。

 昨年10月、菅首相が、2050年の温室効果ガス排出の実質ゼロ目標を表明してからというもの、企業は手のひらを返したように「脱炭素」を唱え始め、メディアは連日、大きな見出しで政策の緊急性を追及している。

 脱炭素と来れば、二言目には再エネの普及、EVの拡大と、決まり文句ばかりを繰り返す彼らに、私はずっと違和感を拭えなかった。カラフルなアイコンが目印のSDGsも同じようなもので、したり顔で「社会貢献」を喧伝(けんでん)する一流組織に限って、本筋を真っ向から履き違えていたりする。

 単に、二酸化炭素の排出を抑えることが使命なのか? エネルギーシステムを整えれば、あとは万々歳なのか? 相変わらずSDGsのバッジを光らせ、自己満足の講演をしていれば「誰一人取り残さない」と言えるのか?

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筆者

宮﨑紗矢香

宮﨑紗矢香(みやざき・さやか) 株式会社大川印刷勤務、人間活動家

1997年生まれ。立教大学社会学部を2020年3月卒業。大学1年次に「子ども食堂」に出会い、持続可能な開発目標(SDGs)を知り、大学3年の春休みにSDGs国際ランキング1位のスウェーデン視察ツアーに参加。その後、就職活動で日本のSDGsウォッシュにさいなまれていたとき、グレタ・トゥンベリさんを知り、Fridays For Future Tokyoの一員になる。共著書に『グレタさんの訴えと水害列島日本』(学習の友社、2020年)。現在は、株式会社大川印刷に勤務。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです