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コロナ患者が急増したインドでイベルメクチンをめぐり論争

使用に慎重なWHO幹部を弁護士会が「告発」する騒ぎに

馬場錬成 科学ジャーナリスト

 最初にこのテーマの研究を発表したのは、日本の谷岡久也博士(谷岡クリニック)で「なぜCOVID-19はアフリカで広がっていないか」とする英文の論文を2020年5月に「Journal of Antibiotics」に投稿した。しかし、雑誌が扱う分野に合致しないとして返却されたため、同年10月、未発表論文を査読なしに掲載する「medRxiv」に投稿、2021年3月26日に公開された

 アフリカのイベルメクチン投与の31か国と不投与の22か国におけるCOVID-19の感染率、死亡率、回復率、致死率をWHOの状況報告書から調べ、投与31か国の罹患率と死亡率は、不投与22か国に比べて統計的に有意に低かったと結論する内容である。

 同様の仮説を立てて研究した論文は、コロンビアとアメリカからも発表されており、いずれもイベルメクチン投与国は不投与国に比べてCOVID-19感染者数が低いとしている。

 しかし、この3つの論文はいずれも投与・不投与の国の分け方が正確ではない。そこで

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筆者

馬場錬成

馬場錬成(ばば・れんせい) 科学ジャーナリスト

1940年生まれ。読売新聞論説委員、東京理科大学知財専門職大学院教授などを経て、現在、認定NPO法人・21世紀構想研究会理事長。「ノーベル賞の100年」(中公新書)、「大村智 2億人を病魔から守った化学者」(中央公論新社)、「知財立国が危ない」(日本経済新聞出版社)ほか著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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