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巨大市場「痛み医療」に変革を

シルバー民主主義による「高齢者医療の偏重」がもたらしたもの

川口浩 東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長

政府の意向のみで決まったコロナ対策

 東京2020組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)は、東京五輪の「安全・安心」なコロナ感染対策のバイブルとして、選手と関係者向けプレーブックプレーブック(第3版、おそらく最終版)を発行した。そこには「感染のリスクやそれに伴う影響は完全には排除できない。オリンピック・パラリンピックへの参加は『自己責任』であることを同意していただくようお願いします」と記載されている(P68)。この内容のどこが「安全」で、誰が「安心」するのか。などと泣いてもわめいても、天皇陛下が懸念を示しても、当事者である都知事が過労で倒れても、「危険・不安」のまま東京五輪は始まる。

拡大東京五輪・パラリンピックの第3版プレーブック
 政府の御用学者として名高いあの分科会長がパフォーマンスはしてみたが1週間でトーンダウン。この1年以上にわたって、彼を含めて、いわゆる「医療の専門家たち」の意見はことごとく無視されて、結局は「ブツブツ言ってただけ」という印象しかない。政治家も役人も医者の言うことには耳を貸さない。すべてのコロナ対策は政府の意向のみで決まり、迷走・混乱を繰り返した。
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筆者

川口浩

川口浩(かわぐち・ひろし) 東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長

1985年、東京大学医学部卒。医学博士。米コネチカット大学内分泌科博士研究員、東京大学医学部整形外科教室助手・講師・准教授、JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センター長などを経て、2018年より現職。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医。国際関節病学会理事、日本軟骨代謝学会理事。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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