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オリンピック強行に見るこの国の行方

国家的非常事態に表れる日本の強固なシステムとは

山井教雄 漫画家

 私はオリンピック開催反対です。

2021年4月16日の朝日新聞青森版に掲載された拡大2021年4月16日の朝日新聞青森版に掲載された

 この漫画を朝日新聞の地方版に発表したのは今年4月16日です。当時日本国民の70%は開催に反対していました。もちろん漫画のメッセージは「オリンピックが開催されればコロナ感染爆発が起こる!」です。

 朝日新聞では「この漫画はボツになるのではないか」と考えていました。というのは、日本政府はオリンピック開催をゴリ押ししていますし、朝日新聞はオリンピックのオフィシャルパートナーなので、開催推進は社是ではないかと考えたからです。

 朝日新聞が政府の原発政策を支持していた当時、原発安全神話を少しでも揺るがすような漫画は、いくら描いても全く載せてもらえなかった経験があリます。

 国民の圧倒的なオリンピック開催反対の声を知リながら、日本では社の意見としてオリンピック開催反対を表明したマスコミは1社もありませんでした。しかし、5月26日に朝日新聞が社説で開催反対を訴えました。

 何度も書いていますが、フランスでは、私は漫画をボツにされた経験がありません。クーリ工・アンテルナショナル(発行部数17万部のル・モンド傘下の週刊誌)が私の主戦場でしたが、クーリエのオピ二オンに反する漫画でも、No-rio個人の意見として、尊重して漫画を載せてくれたからです。

 フランスの哲学者ボルテールの言葉に「私はあなたの意見に反対だが、あなたがそれを言う権利は命をかけても守る」があります。これを民主主義の基本とするフランスのマスコミだけあって、基本を守ってくれていたわけです。

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筆者

山井教雄

山井教雄(やまのい・のりお) 漫画家

1947年東京生まれ。東京外語大スペイン語科卒業。91年漫画集「ブーイング」で文春漫画賞を受賞。93~96年に朝日新聞夕刊で「サミット学園」を連載。報道や表現の自由のために闘う漫画家の国際ネットワーク「Cartooning for Peace(平和のための風刺漫画)」のメンバーとしても活動している。

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