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「日本は途上国?」石炭政策の転換に動く株主たち

気候変動をめぐる株主提案が増えた今年の総会を振り返る

石井徹 朝日新聞編集委員(環境、エネルギー)

 脱炭素への動きが加速化する中、企業や銀行に対する投資家の目が厳しくなっている。5月にあった米石油大手エクソンモービルに対する株主提案では、取締役12人のうち投資ファンドが推薦する環境派とされる3人が取締役に選ばれた。欧米では、BPやJPモルガン・チェースなどのエネルギー関連企業や金融機関に対する「化石燃料からの脱却」を求める株主提案が相次いでいる。

MUFGの株主総会の会場前で株主に提案への賛同を訴えるNGOのメンバーら=2021年6月29日、東京都内、350.org Japan提供拡大MUFGの株主総会の会場前で株主に提案への賛同を訴えるNGOのメンバーら=2021年6月29日、東京都内、350.org Japan提供

 主要7カ国(G7)で、最後まで石炭火力発電に対する公的輸出支援を続けてきた日本の株主総会では、いまだに「石炭からの脱却」が焦点になっている。米国輸出入銀行や世界銀行、欧州投資銀行など、国際的な開発金融機関が相次いで石炭火力への融資基準を厳しくしたのは、いまから8年前の2013年だ。二酸化炭素(CO₂)を回収して地下に貯留する設備(CCS)なしでは達成できない基準にした。

 日本政府は、その後も高効率な石炭火力は温暖化防止に役立つとして海外展開を支援。2007年以降は、世界最大の公的資金供与国になってきた。気候変動対策に関しては、先進国とは言えない状況がずっと続いてきた。最近は、先進国とは思えない政策は気候変動以外にもたくさんあるが……。

 今年の株主総会。アクティビスト(物言う株主)たちによる日本の企業や銀行に「石炭からの脱却」を迫る株主提案は、より活発化した。いずれも総会では否決されたものの、提案を受けた企業や銀行は、新たに石炭火力からの撤退時期を示すなどの対応をして、株主の批判をかわした格好だ。

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筆者

石井徹

石井徹(いしい・とおる) 朝日新聞編集委員(環境、エネルギー)

朝日新聞編集委員。東京都出身。1985年朝日新聞入社、盛岡支局員、社会部員、千葉総局次長、青森総局長などを務めた。97年の地球温暖化防止京都会議(COP3)以降、国内外の環境問題やエネルギー問題を中心に取材・執筆活動を続けている。共著に「地球異変」「地球よ 環境元年宣言」「エコウオーズ」など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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