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日本は本当に主権国家なのか?

米軍による一方的なPFOS汚水排出が問う国の存立基盤

桜井国俊 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

一方的排出に至る経緯

 在沖米海兵隊は、8月26日、米軍普天間飛行場で保管していた有機フッ素化合物PFOSやPFOAを含む汚水を浄化した上で下水道へ排水したと発表した。

米軍普天間飛行場=2021年7月、沖縄県宜野湾市、朝日新聞社機から 拡大米軍普天間飛行場=2021年7月、沖縄県宜野湾市、朝日新聞社機から

 この汚水排出を巡っては、7月8日に米海兵隊が下水道への放出を日本側と調整中であると発表し、岸信夫防衛相が翌9日の記者会見で「処分方法を日米間で協議している」と明らかにした。そして7月13日に国や県が処理方法について基地内で米側から説明を受け、19日には国や県が浄化後の水をサンプリングしている。基地内で処理システムの説明を受けた際には、海兵隊は、処理計画が決まるまでは排水しない考えを示していたという。

 また、採取した汚水のサンプルの分析結果を、国、県、米軍の三者が同時に公表する予定であった。にもかかわらず海兵隊は、8月26日、分析結果はPFOSとPFOAの合計で1リットルあたり2.7ナノグラムであったと独自に報道発表し、その30分後に排出を開始したのである。

 沖縄県と地元宜野湾市は、海兵隊の汚水排出を受け、8月26日、水質調査のためにそれぞれ採水している。また県は、7月19日に採水したサンプルの分析結果は1リットルあたり2.5ナノグラムであったと公表している。

想定されていない下水道への排出

 米海兵隊は、1リットルあたり2.7ナノグラムは日本の暫定指針値・目標値の1リットルあたり50ナノグラムを大きく下回り、安全であると主張する。

 しかし、

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筆者

桜井国俊

桜井国俊(さくらい・くにとし) 沖縄大学名誉教授、沖縄環境ネットワーク世話人

1943年生まれ。東京大学卒。工学博士。WHO、JICAなどでながらく途上国の環境問題に取り組む。20年以上にわたって、青年海外協力隊の環境隊員の育成にかかわる。2000年から沖縄暮らし。沖縄大学元学長。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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