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NHKの夜“7時のニュース”が「10分」で終わった! 開票速報で短縮

国民が頑張った行動にも注目を

三田地真実 行動評論家/言語聴覚士

拡大東京・渋谷のNHK放送センター=2021年3月31日、宮田裕介撮影
 10月31日。その日、NHK午後7時のニュースのヘッドラインは、いつも通りに6つほどオープニングで紹介されていた。衆議院議員選挙関係がいくつか、コロナの感染者数、そんなラインアップだった。ヘッドラインを見たとき、「てっきり、いつも通りの30分のニュース」だとばかり思っていた。

投開票日の夜7時のニュース、30分→10分

 「選挙の結果は、後で見ればいいや」と、ヘッドラインを見た後は別の録画した番組を見ていたが、「あ、天気予報は見なくっちゃ」と再びNHK総合に戻した。すると、なんと19時25分頃―ちょうど、天気予報の時間である―に、吉沢亮さんの姿が飛び込んできた。一瞬、あれ? となったが、「ああ、“晴天を衝(つ)け”をやってるんだ」とわかった。

拡大2021年10月31日のテレビ欄
 再度よく考えて、「そうか、19時55分からいつもの大河ドラマの時間を使って総選挙の開票速報番組をやるから、大河ドラマを“前倒し”したのかな……」と、なぜ、19時台に大河ドラマをやっているのかの仮説が立った。だったらニュースはと、調べてみたところ「わずか、10分」で終わっていた。

 開票速報が19時55分に始まるのだから、45分の大河ドラマを19時台で終わらせるには、ニュースに残された時間は「10分」しかなかったのだ。単純な計算だ。だが、その日の出来事を振り返るニュースは、何を基準に10分で終えられると決めたのだろうか。

制約があると、人は「優先順位」を付けて取捨選択する

 人は限られたリソース(時間やお金など様々)に直面し、それを費やして「何をするか」を考えるとき、自(おの)ずとそれぞれの事柄の優先順位を考える。もし、何かのプレゼンテーションをしなければならないとき、最初は持ち時間が30分だと言われていて、直前に「都合により10分でお願いします」と依頼されれば、元々の30分の最初の10分を発表するということはないはずだ。準備していた内容を見直し、それぞれに「優先順位をつけ」、順位の高いものを残して低いものを外すという「取捨選択」を余儀なくされるだろう。

 このような選択は、余命〇カ月と宣告されたときに「残りの人生、何をするか、誰と過ごすか」といったときに明確に自覚される。おそらく多くの方は、家族と過ごすことにその時間を使うだろう。それが持ち時間の中での取捨選択ということだ(最も究極な例は、御巣鷹の尾根に墜落してしまったJAL123便であろう。そのことを予感した乗客が書き残したメモは「家族へのメッセージ」であったという)。

 限られた持ち時間に人は究極の選択をし、そこにはその人の優先順位、「何がその人にとって大事なことなのか」が表れる

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筆者

三田地真実

三田地真実(みたち・まみ) 行動評論家/言語聴覚士

教員、言語聴覚士として勤務後、渡米。米国オレゴン大学教育学部博士課程修了(Ph.D.)。専門は応用行動分析学・ファシリテーション論。2016年からオンライン会議システムを使ったワークショップや授業を精力的に行っている。2011年星槎大学共生科学部教授、2013年より同大学大学院教授。著書に「保護者と先生のための応用行動分析入門ハンドブック」など。教育雑誌連載と連動した「教職いろはがるた」(https://youtu.be/_txncbvL8XE)の動画配信中!

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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