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ハチミツから除草剤の成分検出で、自主回収・大量廃棄 「基準値超え=危ない」は誤解だ

2021年12月17日から基準値が緩和 EUと同じに

小島正美 食・健康ジャーナリスト

加藤美蜂園本舗拡大加藤美蜂園本舗のホームページから
 国内のハチミツ製品の自主回収・廃棄が10月から続いている。ハチミツから除草剤のグリホサートが基準値の0.01ppm(ppmは100万分の1の単位。1ppmは1グラムの中の100万分の1グラム)を超えて検出されたためだ。ところが、今月17日、基準値が0.05ppmに改正された。これで今後、自主回収は減ると予想されるが、回収途中の製品はいったいどうなるのか。

原料の外国産ハチミツから基準超のグリホサート

 ハチミツから除草剤のグリホサートが検出された問題は、週刊新潮が10月14日号で「サクラ印ハチミツから基準値超え」と報じて、世間の注目を集めた。サクラ印ハチミツを製造販売する「加藤美蜂園本舗」(東京)が自社検査でハチミツから基準値の0.01ppmを超えるグリホサートを検出しながら、対策措置を講じなかったというものだ。検出されたグリホサートの量は0.02と0.03ppmで、原料のハチミツはアルゼンチン産とカナダ産だった。

 さらに週刊新潮が一般社団法人農民連食品分析センターに検査を依頼した独自調査でも、市販のハチミツ5品目のうち3品目から基準超えが見つかった。検出濃度は0.02ppm(2品目)と0.05ppm(1品目)だったという。

 日本の食品衛生法は基準値を超えた食品の流通を禁じている。この報道をきっかけに、加藤美蜂園本舗によるハチミツ製品の自主回収が始まり、いまも続く。回収はあくまで企業による自主的なもので、厚生労働省自らが検査して「基準値違反だから回収してください」と認定したものではない。

 戸惑うのは、自主回収が続くなか、今月17日に厚生労働省の告示が出て、グリホサートのハチミツの基準値が0.05ppmに変わったことだ。

12月17日の告示日から新基準が適用

拡大shutterstock.comから
 基準値が改正されたいま、市場で販売されているハチミツ製品や、回収されつつある製品の扱いはどうなるのだろうか。

 たとえば、いま店に並ぶハチミツ製品を検査した結果、仮に0.03ppmのグリホサートが検出されたら、その製品はどうなるのか。

 厚労省監視安全課に聞くと、「告示日(2021年12月17日)以降は、新たな基準値が適用される。ハチミツからグリホサートが検出されても、新基準の0.05ppmを超えていなければ、違反にはならない」ということで、0.05ppm以下ならそのまま流通できると話す。

 では、回収中のハチミツはどうなるのか

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筆者

小島正美

小島正美(こじま・まさみ) 食・健康ジャーナリスト

1951年愛知県生まれ。愛知県立大学卒業。2018年まで毎日新聞記者。現在はメディアチェック集団「食品安全情報ネットワーク」共同代表。著書に「メディア・バイアスの正体を明かす」など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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