都道府県魅力度ランキングの「伝え方」 ”法的措置”発言の波紋騒動から見えたのは……
なぜ目立つ、下位県情報~「いじり」と「いじめ」と対抗制御
三田地真実 行動評論家/言語聴覚士
「群馬県知事の山本一太氏、魅力度ランキングに物申す!」とのニュースが12月14日のNHK夜7時のニュースで流れた。調べてみると、ランキング自体の発表は10月で、
NHKのNEWSWEBにおいても報じられている。そのホームページ(HP)のヘッドラインがこれだ。
「都道府県魅力度ランキング 茨城県再び最下位に」
本文も「都道府県の魅力度ランキングのことしの結果が発表され、去年全国で最下位だった栃木県は41位となった一方、去年、7年連続だった最下位を脱した茨城県は再び最下位となりました」と始まっている。
第1位がどこであったかに触れる「前に」「最下位合戦」をまず報じているのだ。確かに、北関東三県(群馬、茨城、栃木)は人気がないとされて何かと話題になっている県である。負の人気投票などというものも見つかった。
これに「待った」をかけたのが、群馬県知事の山本一太氏である。10月12日に「根拠の不明確なランキング」であると会見で批判、「法的措置も検討したい」と報じられている。
このランキング調査を行った民間のブランド総合研究所の社長は、知事の「法的措置発言」に対して「ちょっと意味がわからない」と戸惑っているというコメントをしている。
まず、情報の大本を確認する

都道府県魅力度ランキング(地域ブランド調査2021)を公開したHPの目次=ブランド総合研究所HPから
こういうときに、大事なことはまずこれらの報道の大本となっている、調査の方法、結果の公表の仕方を確認することだ。これは
教員免許更新講習のアンケート結果の報道の際にも訴えた点である。ブランド総合研究所のHPで公開されている
調査結果を見てみると、全都道府県の順位が点数と共にそのまますべて示されている。
そのページの目次は図の通りだ。このページの本文中では、順位の上昇が大きかった県についての紹介はあるが、どこにも「〇〇県が最下位」といった文言はない。
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