伊豆小笠原とそっくりな地下構造とマグマの存在
2022年02月07日
2022年1月15日、トンガのフンガ火山(フンガトンガ・フンガハアパイ)で大規模噴火がおこった(英語ではフンガをハンガと発音する)。東京から9千キロ離れた南半球の火山で、日本の研究者にはなじみが薄い。だが、日本の火山との共通性があり、トンガの噴火が人ごとではないことがわかる。大陸ができる仕組みについても、示唆を与えてくれそうだ。
フンガトンガ島とフンガハアパイ島の南には長径3キロくらいの海底カルデラ(陥没地形)があり、2島はその北と北西側のカルデラ縁にできた火山島だ(下図)。1988年にはカルデラの南側海底から噴火があり、2009年には西側のフンガハアパイ付近の海域から噴火があった。2島は、13年にはそれぞれ長さ2キロ、高さも海面から114メートルあった。14年と15年に2島の間で噴火が起こり、火山噴出物と再堆積した火山灰によってつながった。つまり、直径5キロの範囲で何回も噴火が起こっていた。
ところが今回の爆発的噴火によってこの2島とつないでいた陸地の大部分が海没したようだ。地滑りを起こして山体が崩壊し、海底火山斜面を流れ下った可能性がある。あるいは噴出した大量の火山灰によってマグマ溜まりが陥没して、直径が5キロ以上のカルデラを形成し、陸上部が消失したのかもしれない。今回の噴火の実態を解明するためには詳細な海底調査による地形変化の解明と噴出物の化学分析が必要である。
そもそもフンガ火山とはどのような火山であるのか、なぜマグマが生成するのか、どのようなマグマを噴出していたのかについては、これまでの研究でかなりわかっている。
直線ではなく、弓なりに島が続く地形を(島)弧と呼ぶ。トンガ・ケルマディック弧は、太平洋プレートがトンガ・ケルマディック海溝からインド・オーストラリアプレートに沈み込むことによって形成される火山弧であり、ニュージーランドの北島からトンガにかけて2800キロ続く。
北部はトンガ弧、南部はケルマディック弧と呼ばれ、トンガ弧の東のトンガ海溝は世界最深のマリアナ海溝に次いで深く、最深部は10800 メートル。太平洋プレートの沈み込みでできる火山という点で、伊豆小笠原マリアナ弧の火山と
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