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朝ドラ「カムカムエヴリバディ」と祖父の日記が伝える100年の物語

「どうしたら、よき祖先になれるか」という問いに、私たちはどう答えるのか

宮﨑紗矢香 人間活動家

 上白石萌音さん演じる安子の「あんこのおまじない」。テレビから香るのは、あるはずのないあんこの匂い。

上白石萌音さん=村上健撮影拡大「安子」を演じた上白石萌音さん=2021年12月、村上健撮影
 3世代ヒロインがバトンをつなぐ初の朝ドラとして話題を呼んでいる、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」は、昭和、平成、令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描くファミリーストーリーだ。安子は初代ヒロインで、2代目ヒロインの母、そして3代目ヒロインの祖母にあたる。

 1世紀(100年)に渡る家族の物語は、涙なしには見られない。その世界観にあっという間に魅了された私は、毎朝の15分が待ち遠しくて仕方ない。

 年を重ねてはじめてわかる親の苦労や、何げない言葉に秘められた思いが胸に迫る。自分がここに生きている限り、その上に幾重にも重なった他者が存在している。

 自らの人生を過去へとさかのぼると、思い浮かぶのはせいぜい、両親と祖母くらいだ。顔も名前も知らない先祖は山ほどいる。血縁関係への意識が昔より薄れていることへの表れかもしれないが、私は祖父の存在すら危うい。

 母方の祖父とは一度も顔を合わせたことがない。私が生まれる前、母が高校生の頃に亡くなったため、そもそも記憶のうちにいない。どこか神秘的なベールに包まれている。

 生まれてこの方、つかむにつかめない存在だった祖父だが、昨年秋、前触れなく私たちの前に姿を現してきた。

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筆者

宮﨑紗矢香

宮﨑紗矢香(みやざき・さやか) 人間活動家

1997年生まれ。立教大学社会学部卒。Fridays For Future Tokyo元オーガナイザー。2020年4月、株式会社大川印刷入社。社会課題を考える多 数のイベントやソーシャルメディアを通じての外部発信を担当し、2021年7月退職。共著に『グレタさんの訴えと水害列島日本』(学習の友社、2020年)、『子ども白書2020』(かもがわ出版、2020年)

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです