メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

ウクライナ侵攻と二つの「核」危機

核兵器と原発——いま人類が直面する深刻なリスクにどう向き合うか

鈴木達治郎 長崎大学 核兵器廃絶研究センター(RECNA)副センター長・教授

「核の恫喝」から「核戦争」へのリスク

 原発のリスクと同様、いやそれ以上に今恐れられているのが、「核戦争」のリスクである。2月27日、プーチン大統領は「ロシアは世界最強の核大国の一つである」と発言し、戦略核部隊を「特別態勢」において警戒を強化する指令を出したと発表した。このような「核の恫喝」ともいえる発言に対し、米バイデン大統領は「ロシア側に具体的な動きは確認されていない。核戦争を懸念する必要はない」として、米側が核戦争を戦う意思はないことを明言した。これで想起されるのが、今年1月3日に核五大国首脳が発表した「核戦争に勝者はない。核戦争は戦ってはいけない」とする共同声明である。この共同声明は、今年開催が予定されている核不拡散条約(NPT)の再検討会議に向けて、核軍縮への姿勢を示す意図があったとみられるが、今回のプーチン大統領による「核の恫喝」は、上記首脳共同声明と明白に矛盾しており、声明に署名している大統領の信頼性を大きく崩すものであった

・・・ログインして読む
(残り:約2512文字/本文:約5509文字)


筆者

鈴木達治郎

鈴木達治郎(すずき・たつじろう) 長崎大学 核兵器廃絶研究センター(RECNA)副センター長・教授

長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)副センター長・教授。1951年生まれ。75年東京大学工学部原子力工学科卒。78年マサチューセッツ工科大学プログラム修士修了。工学博士(東京大学)。マサチューセッツ工科大エネルギー環境政策研究センター、同国際問題研究センター、電力中央研究所研究参事、東京大学公共政策大学院客員教授などを経て、2010年1月より2014年3月まで内閣府原子力委員会委員長代理を務め、2014年4月より現職。またパグウォッシュ会議評議員を2007~09年に続き、2014年4月より再び務めている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

鈴木達治郎の記事

もっと見る