須藤靖(すとう・やすし) 東京大学教授(宇宙物理学)
東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。1958年高知県安芸市生まれ。主な研究分野は観測的宇宙論と太陽系外惑星。著書に、『人生一般二相対論』(東京大学出版会)、『一般相対論入門』(日本評論社)、『この空のかなた』(亜紀書房)、『情けは宇宙のためならず』(毎日新聞社)、『不自然な宇宙』(講談社ブルーバックス)、『宇宙は数式でできている』(朝日新聞出版)などがある。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
銀河系の中心にある見えないはずの暗黒の撮影に成功
2022年5月12日午後10時(日本時間)、国際共同プロジェクトEvent Horizon Telescope (事象の地平線望遠鏡、以下EHT)の最新の観測結果が世界で同時発表された。すでに新聞等で報道されているし、EHT日本グループによるわかりやすく詳細な解説も存在する(https://www.miz.nao.ac.jp/eht-j/c/pr/pr20220512、https://www.miz.nao.ac.jp/eht-j/system/files/files/230/presentation.pdf)。そのため、共通する部分はなるべく簡略にする一方で、バイアスがかかっていることを承知の上であえて個人的感想を交えつつ、それらとは相補的な紹介を試みる。ちなみに、私はこの日本グループには関与していないので全くの第三者から見たコメントである。