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おかえり、私のセンス・オブ・ワンダー

働き盛りの20代が、生態園の野の花ツアーに参加して考えたこととは

宮﨑紗矢香 人間活動家

 桜が見頃を迎えた4月上旬。家の近くにある茅ケ崎公園自然生態園(横浜市)に出かけた。コロナ禍以降、散歩がてらよく訪れている。その日は季節の催し、野の花ウォッチングが開催されると知って、飛び入り参加した。

参加者による田植え体験拡大参加者による田植え体験
 受付に集まったのは、私を含めて3組。年配の女性グループ、お父さんと男の子、そして私。おそらくはみな、近隣住民だろう。予想はしていたけど、やはり20代は私だけだった。

 場違い感にさいなまれつつ、ガイドさんの案内のもと、早速ウォッチングスタート。まずは、この地に生態園ができた経緯からお話を聞く。

 「横浜のチベット」と呼ばれ、田畑が約半分、山林が約4割、残り1割が宅地や道路であった地区が開発によって変貌していき、自然を残したいと願う人たちの思いによって、この3ヘクタールが残されたことを知る。保育園児の頃に越してきた今のマンションも、急速な開発の中で建てられた一部だと思うと、どこか胸が痛む。

ウグイスカズラ拡大ウグイスカズラ
 詰め所の横を通って、御手洗池の横の小道を歩く。「急に暖かくなったから、うわーっと花が出てきたね」朗らかな年配ガイドさんの説明に、春のうららかな陽気が重なって、思わず和む。

 「珍しく早咲きのアカネスミレ、12月から咲いているウグイスカグラ、咲き始めたばかりのウラシマソウ、外来種のオオイヌノフグリ。4月だから、たくさん桜が咲いています。オオシマザクラ、ソメイヨシノ、ヤマザクラ」

 お父さんにくっついて歩く男の子は、首から

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筆者

宮﨑紗矢香

宮﨑紗矢香(みやざき・さやか) 人間活動家

1997年生まれ。立教大学社会学部卒。Fridays For Future Tokyo元オーガナイザー。2020年4月、株式会社大川印刷入社。社会課題を考える多 数のイベントやソーシャルメディアを通じての外部発信を担当し、2021年7月退職。国立環境研究所 社会対話・協働推進室コミュニケーター。共著に『グレタさんの訴えと水害列島日本』(学習の友社、2020年)、『子ども白書2020』(かもがわ出版、2020年)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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