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数字は嘘をつく? コロナ禍統計がまた迷走している

意味のない数字の垂れ流しはやめて本当に知りたい情報提供を

下條信輔 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

 パンデミックの第7波が夏休みと重なり、大きな混乱が起きている。本欄でも、コロナ禍統計のバイアスについて書いてきたが(本欄拙稿「新型コロナウイルス感染症『COVID-19』の数字を読む」)、最近また気になる点が出てきた。新規患者数をいまだに連日公表・報道したり、過去と比較したりする意味が、端的にわからない。

 コロナ禍はいったん収まったかに見えたが、ここへきてまた目まぐるしく動いている。目に留まった見出しをちょっと列挙するだけでも以下のようだ(8月5〜11日、各紙)。

  「国内の累計感染者1500万人を超える-1カ月で500万人増」
  「新たな変異株BA・2・75  BA・5より流行しやすい?」
  「中国、主要製造拠点など複数都市がロックタダウン」
  「バイデン大統領も再び陽性に『リバウンド』のナゼ」
  「米CDCが対策緩和、濃厚接触者の自主隔離撤廃、無症状者の検査は推奨しない」

 あまりにも目まぐるしく、どう対応していいかわからない。そんな中でも、通例となった感染の日替わり統計が、漫然と報道されている。県別に、時には年齢層別など細かに。こうした数字は客観的に見えて不正確で曖昧性があり、何を読み取って欲しいのかわからない。特に新規感染者数にはほとんど意味がない。複数の要因によって実態からどんどんかけ離れていくからだ。

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筆者

下條信輔

下條信輔(しもじょう・しんすけ) 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授。認知神経科学者として日米をまたにかけて活躍する。1978年東大文学部心理学科卒、マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。東大教養学部助教授などを経て98年から現職。著書に『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書)『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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