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国際的に卓越した研究大学を実現するために日本がしなければならないこと

実績を積み重ねる沖縄科学技術大学院大学(OIST)を世界トップ大に育てよ

永野博 科学技術振興機構国際部研究主幹、日本工学アカデミー顧問

 ここのところ日本の大学の研究力低下が話題になる。ランキング(Times Higher Educationの例、2022年)でいうと世界100位以内は、東大35位、京大61位の2校だけである。このような状況に対応し、政府も「国際卓越研究大学」に関する法律を成立させ、10兆円規模の大学ファンドで支援する大学を選定することとしている。

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 メディアなどではその候補として東大、京大などの名前があがっている。しかし、ネイチャー誌による質の高い論文の割合で世界9位 (Nature Index 2019)となった沖縄科学技術大学院大学(OIST)の名前は不思議と出てこない。OISTは2012年に開学した新しい大学で、カリフォルニア工科大学(Caltech)をモデルとして世界の最先端をいく大学を目指すという目標のもとに創設された。創設してまだ間もないが、まさに国際的に卓越した大学になる途上としての実績を積み重ねているといっても過言ではないだろう。

沖縄科学技術大学院大学(OIST)は自然豊かな環境にキャンパスがある=2021年12月、沖縄県恩納村、朝日新聞社拡大沖縄科学技術大学院大学(OIST)は自然豊かな環境にキャンパスがある=2021年12月、沖縄県恩納村、朝日新聞社

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筆者

永野博

永野博(ながの・ひろし) 科学技術振興機構国際部研究主幹、日本工学アカデミー顧問

慶應義塾大学で工学部と法学部を卒業。科学技術庁に入り、ミュンヘン大学へ留学、その後、科学技術政策研究所長、科学技術振興機構理事、政策研究大学院大学教授。OECDグローバルサイエンスフォーラム議長を6年間、務めた。現在、日本工学アカデミー顧問など。著書:『世界が競う次世代リーダーの養成』、『ドイツに学ぶ科学技術政策』

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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