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健康保険証廃止の政府方針は白紙撤回して仕切り直しを

マイナカード普及のために医療を利用する政権の横暴に医師会は徹底抗議すべき

川口浩 東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長

 総務省は10月19日、マイナンバーカードの交付率が50%を超えたと発表した。カード交付が始まってから5割超えに6年半もかかったことになる。それでも政府は来年3月までにほぼ全国民にカードを行き渡らせることを今でも目標に掲げている。焦りを隠せない政府はマイナカード普及の方策を、従来のマイナポイント付与などといった「アメ」から、事実上の義務化という「ムチ」へと大きくかじを切った。

拡大記者会見する河野太郎デジタル相=22年10月
 河野太郎デジタル担当相は10月13日、政府の方針として「現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化したマイナ保険証に切り替える」と表明したのだ。

マイナンバーカード普及に利用された医療と国民の健康

 2013年5月に成立したマイナンバー法には「住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係るカードを発行するものとする」(16条2項)と明記されており、カードを取得するか否かは個人の任意の判断に委ねるとしている。しかしながら、国民皆保険である我が国において健康保険証とセットでの切り替えを迫る仕組みは、法的に任意であると定められている制度を事実上の義務化に転換することに他ならない。これに対して国民から「任意といいながら義務化する政府のやり方は強引で理不尽」という反発が起こるのは当然である。そもそも、法律で担保されている原則が政府の一存でないがしろにされるのは法治国家として許されることではない。

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筆者

川口浩

川口浩(かわぐち・ひろし) 東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長

1985年、東京大学医学部卒。医学博士。米コネチカット大学内分泌科博士研究員、東京大学医学部整形外科教室助手・講師・准教授、JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センター長などを経て、2018年より現職。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医。国際関節病学会理事、日本軟骨代謝学会理事。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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