マイナカード普及のために医療を利用する政権の横暴に医師会は徹底抗議すべき
2022年10月25日
総務省は10月19日、マイナンバーカードの交付率が50%を超えたと発表した。カード交付が始まってから5割超えに6年半もかかったことになる。それでも政府は来年3月までにほぼ全国民にカードを行き渡らせることを今でも目標に掲げている。焦りを隠せない政府はマイナカード普及の方策を、従来のマイナポイント付与などといった「アメ」から、事実上の義務化という「ムチ」へと大きくかじを切った。
2013年5月に成立したマイナンバー法には「住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係るカードを発行するものとする」(16条2項)と明記されており、カードを取得するか否かは個人の任意の判断に委ねるとしている。しかしながら、国民皆保険である我が国において健康保険証とセットでの切り替えを迫る仕組みは、法的に任意であると定められている制度を事実上の義務化に転換することに他ならない。これに対して国民から「任意といいながら義務化する政府のやり方は強引で理不尽」という反発が起こるのは当然である。そもそも、法律で担保されている原則が政府の一存でないがしろにされるのは法治国家として許されることではない。
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