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離職率0.65%の公立学校は本当に“ブラック”なのか?

~トップガンに学ぶ希望者アップで教育改善~

三田地真実 行動評論家/言語聴覚士

拡大=shutterstock.com
 教員採用試験の倍率が低いというニュースが流れる度に「こういう風になるのはなぜなのか?」を考えている。こういうときに、大事なことは倍率や「パーセント」だけで考えるのではなく、その数値が算出された大元の数値にもあたることだ(地震予測で示される「パーセント」とは何を意味するのか?)。さらに、「倍率の低さ」について、大方の理由付けは「教育現場はブラックだから」応募控えが起こっているというものだろう。教育×ブラックで検索するとそういう関連記事が確かにいくつも挙がってくる。今回の論座では、まず、「採用倍率の推移」をしっかりと検証した上で、「公立学校は本当にブラックなのか?」という点を「倍率」からだけではなく「離職率」という他の数値も含めて検討し、どのようにすれば応募者数を増やせるか、筆者の考えを述べてみたい。

1998~2001年に10倍超でピーク 公立学校の教員採用率

 図1は、1979年から2022年までの公立学校教員採用試験(小学校、中学校、高校、特別支援学校などの総計)の倍率の推移を示したものである。これを見れば、すぐに気づくことがある。それは、1970~1990年代にも倍率はそんなに高い時期はなかったということ、および、1991年に2022年と同じ「3.7倍」という最低の倍率を記録していたということだ。万が一、この図を最高倍率であった2000年以降から示したとしたら、倍率は右肩下がりにしか見えないものとなる。「ここ20年は右肩下がり」というのは正しい表記であるが、「ずっと右肩下がり」ではないことには注意しなければならない。

 特に目を引くのは倍率が10倍を超えている1998~2001年のピーク(山)であろう。この年頃には受験者数は激増していたかのように見えなくもない。しかし、図1を見ただけでは、実際に何人が受験していたのかはわからない。

 そこで次に見るべき数値は

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筆者

三田地真実

三田地真実(みたち・まみ) 行動評論家/言語聴覚士

教員、言語聴覚士として勤務後、渡米。米国オレゴン大学教育学部博士課程修了(Ph.D.)。専門は応用行動分析学・ファシリテーション論。2016年からオンライン会議システムを使ったワークショップや授業を精力的に行っている。2011年星槎大学共生科学部教授、2013年より同大学大学院教授。著書に「保護者と先生のための応用行動分析入門ハンドブック」など。教育雑誌連載と連動した「教職いろはがるた」(https://youtu.be/_txncbvL8XE)の動画配信中!

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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