メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

いったい何が決まったのか。日本にはどう影響するのか。

改めて国連気候変動会議(COP27)の意味を考える㊤

明日香壽川 東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授

 また、斎藤氏の言う「大失敗」の定義がよくわからないものの、もし市民団体がボイコットしてCOPに参加しなかったら、その排出削減が進まないという意味での失敗の程度は、小さくなるどころか、気候変動対策に消極的な国や人々(人権を無視する国々や人々とほぼ重なっている)のやりたい放題になって、逆に大きくなっていただろう。

 その場合、途上国支援などの仕組みの構築も後退したと思われる。それらが、どう「気候正義」の実現につながるのか全くわからない。もちろん、市民団体の影響力は極めて限られている。それでも、会場の中での市民団体の参加やアクションがなかったら

・・・ログインして読む
(残り:約2594文字/本文:約4071文字)


筆者

明日香壽川

明日香壽川(あすか・じゅせん) 東北大学東北アジア研究センター/環境科学研究科教授

1959年生まれ。東京大学工学系大学院(学術博士)、INSEAD(経営学修士)。電力中央研究所経済社会研究所研究員、京都大学経済研究所客員助教授などを経て現職。専門は環境エネルギー政策。著書に『脱「原発・温暖化」の経済学』(中央経済社、2018年)『クライメート・ジャスティス:温暖化と国際交渉の政治・経済・哲学』(日本評論社、2015年)、『地球温暖化:ほぼすべての質問に答えます!』(岩波書店、2009年)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

明日香壽川の記事

もっと見る