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スローライフは夢のまた夢?

シティーガールの移住生活日記

宮﨑紗矢香 人間活動家

 縁もゆかりもない土地に移住して、はや5カ月。

家の前を流れる利根川。みなかみ町は利根川の最初の一滴が流れる源流域です家の前を流れる利根川。みなかみ町は利根川の最初の一滴が流れる源流域です
 都心のニュータウンで育ったシティーガールは、早くも田舎暮らしの洗礼を受けている。生活力のなさを突きつけられ、日々ドタバタ劇を繰り広げる毎日。慣れない土地に、慣れない運転。慣れない人間関係。あれやこれやに気をまわし、倹約に倹約を重ね、気付けば3kgも体重が減っていた。

 ままならないのは世の中だけではなく、代謝も同じ、というのはさておき、先が見通せない社会で、一寸先はダークホール?な移住生活の様子を書きつづりたい。

待ち焦がれていたスローライフ

 昨年7月末。本格的な夏の訪れとともに、横浜から群馬へ移住をした。移住先は北部のみなかみ町。都心から新幹線で1時間ほどの距離にありながら、谷川連峰や利根川源流域など日本を代表する自然が残され、2017年にはユネスコエコパークに登録をされた場所だ。

 コンクリートジャングルの東京にいたら想像もできないほどの、辺り一面ネイチャーランド。町の9割以上が森林に囲まれ、東京23区ほどの広大な土地に手つかずの自然が広がっている。

 満を持して決意した移住が、ようやくかなうことへの喜びと、みなかみのあふれんばかりの自然にエキサイトされ、はじめの一週間は、それはそれはワンダフルだった。

 家賃5万円以下のマンションは、窓をあければ(オーシャン、ではなく)リバービュー。鳥のさえずりで目覚め、谷川岳に見送られて家を出る。若手移住者が集うコワーキングスペースで、快適にリモートワークをし、外出先から帰宅したら、その足でマンション地下の温泉へGo。毎日、いい湯につかって一日の疲れをデトックス。風呂掃除知らずなのもうれしい。

 ああ、センスオブワンダー。

 これが待ち焦がれていた私のスローライフ。

 なんて調子こいていたのは、はじめの数日だけだった。悠々自適な生活は、日を追うごとに遠のいていく。

猛暑とガソリン代に悩まされる

生物多様性復元の取り組みで知られる「赤谷プロジェクト」に参加した際の写真生物多様性復元の取り組みで知られる「赤谷プロジェクト」に参加した際の写真
 8月。

 みなかみで過ごすはじめての夏は、

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