大島渚 の検索結果

映画「ANPO」から10年

芸術に込めた怒りが問う今

　私はアメリカ人の宣教師の娘として京都で生まれ、山口と愛媛で育ち、公立の小中学校で日本の歴史を教わった。だが、1960年に起きた「戦後最大の … ［続きを読む］

50年後、高校全共闘は若者たちと出会った

2・11シンポジウムで見えてきたこと

50年後の地球の上で　歳を取るのも悪くないと思う今日この頃。それでもスジのいい若い人たちの話を聞くと、やっぱり若いっていいなあと涙ぐみそうに … ［続きを読む］

大島渚「忘れられた皇軍」が告発した日本社会

田中宏さんと考える（2）「国籍条項」とは何だ？

　一橋大学名誉教授・田中宏さん（82）が差別の是正を求めて運動をしてきた在日韓国・朝鮮人には、あえて分ければ二つのタイプがある。　一つは、植 … ［続きを読む］

私が映画記者になるまで

遠回りは役に立つ

　故樹木希林さんの最後のロングインタビューをまとめた「この世を生き切る醍醐味」を先日、朝日新書から上梓した。昨年9月に亡くなって以来、樹木さ … ［続きを読む］

『帰れない二人』のジャ・ジャンクー監督に聞く

　中国の名匠ジャ・ジャンクー監督の新作、『帰れない二人』が公開されている。17年に及ぶヒロイン(チャオ・タオ)と彼女の恋人(リャオ・ファン) … ［続きを読む］

表現の不自由展、津田大介氏の判断は正しかったか

　国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の中の「表現の不自由展・その後」展が、わずか3日で主催者が展示を取りやめたというニュースには驚い … ［続きを読む］

吉開菜央監督に聞く、作品を「黒塗り」した理由

日本で規制された『GrandBouquet』の完全版がカンヌで上映

　ポン・ジュノ監督の映画『パラサイト』がパルムドールに輝いた第72回カンヌ国際映画祭(2019年5月14～25日)。韓国映画生誕100年の節 … ［続きを読む］

［116］辺野古の海への「土砂投入ショー」

12月11日(火)　午前中「報道特集」の定例会議。途中で抜けて、参議院議員の事務所へ。沖縄取材の仕込みのため。短時間、局に戻ってみたら職場で … ［続きを読む］

学生が映画祭「朝鮮半島と私たち」を企画した理由

　筆者が教える日本大学芸術学部映画学科の3年生が企画する映画祭「朝鮮半島と私たち」が、12月8日(土)から東京・渋谷のユーロスペースで始まる … ［続きを読む］

是枝裕和『万引き家族』最高賞受賞と３つの奇跡

日本映画の国際映画祭出品ラッシュの総仕上げ

　実は、今回のカンヌ国際映画祭で是枝裕和監督の『万引き家族』が受賞することを、個人ブログでカンヌが始まった直後に予測していた。しかしまさか最 … ［続きを読む］

続・カンヌ「監督週間」50年、その裏側を聞く

ワイントロップ・ディレクター「カンヌには賞があり過ぎです」

――カンヌの「監督週間」はコンペ形式はとっていません。「監督週間からは賞をあげない」というのは、今も大事な選択なのですか。 ワイントロップ　 … ［続きを読む］

続・是枝裕和監督に聞く東京国際映画祭への提言

「作家を育てる」という発想をどれくらい持てるか

――コンペティションがなく、Aランクでもないけれど成功しているトロント映画祭の方向性には賛成です。しかし、先ほどおっしゃった「ヨーロッパがア … ［続きを読む］

［33］今という時代は１９４０年前後に似ている

『セールスマン』のスリリングなこと！5月9日(火)　局で定例会議。森友事件のことがとても気になっているのだが、スタッフの関心はあまり高くない … ［続きを読む］

［31］「東北でよかった」と「沖縄でよかった」

4月25日(火)　午前9時すぎ、沖縄の名護市辺野古のキャンプ・シュワブの沿岸で、沖縄防衛局による護岸工事が着手された。海中に大型ブロックや土 … ［続きを読む］

[20]『大東亜戦争』『足跡姫』……

2月7日(火)　先週のダコタの先住民の特集について反響が思った以上にあって、メールをいただいた。局で定例会議のあと、CSのTBSニュースバー … ［続きを読む］

［19］演劇と現実の境目がなくなった１週間

1月31日(火)　きのうの辺見庸講演会の余韻がまだ心の中にずっしりと残っている。午前10時、局で定例会議。ますます漂流感覚がつのる。「沖縄タ … ［続きを読む］

［4］未成年者の連続殺人への最高裁判断は妥当か

世界の刑事裁判の趨勢に逆行、将来の法のあるべき方向を指し示すべきだ

  第二には、「犯罪の責任をすべて行為者に帰することができるのだろうか？」という疑問が立てられよう。　脳神経科学や精神医学が明らか … ［続きを読む］

山本義隆と＜社会意識＞としての全共闘（中）

組織イメージの転換

　たいへんうかつな話だが、私は大学全共闘と60年安保闘争のつながりについて、さほど注意を払ったことがなかった。当時、高校生だったせいもあるが … ［続きを読む］

６０年と１５年の「安保闘争」は何が違うか（下）

「次の時代」への兆候

運動のなかの文化――擬制の告発か行動の統一か　安保闘争のなかで命を落とした樺美智子の遺稿集『人しれず微笑まん』(1960)の口絵には、美智子 … ［続きを読む］

公の歴史から消された過去を眺めると

もう一つの現代史が立ち上がってくる

　「歴史とは、ある意味でいえば、死者の声であって、われわれの歴史が豊富になっているのは、どういう死者がどれほどたくさんいたかにすぎないのです … ［続きを読む］

［25］第6章「＜遠郊＞の憂鬱（1）」

閉ざされた殺人者

　佐々木哲也は、1968年春、市原市立八幡中学を卒業し、千葉県随一の進学校である県立千葉高校へ入学した。中学時代はトップクラスの成績だったが … ［続きを読む］

［2］監督発見の９０年代～難儀な１０年代

　前稿でも触れたように、近年もフランスでコンスタントに作品が配給され続けている監督は、是枝裕和、河瀨直美、黒沢清、北野武の4人に限られるだろ … ［続きを読む］

［1］観客数のシェアはたったの０・４％！

　フランスでは、年々日本文化に対する熱が高まっているようだ。 　巷の本屋や図書館ではMANGA専用の棚が増設され、通りには和食レストランが雨 … ［続きを読む］

高倉健のイメージは「美化」されすぎた

　ここ数日の高倉健の訃報報道を見聞きしながら、どこか居心地が悪かった。　新聞の見出しには「寡黙」「哀愁」「男の優しさ」(朝日)「不器用に 優 … ［続きを読む］

ベネチア国際映画祭リポート（下）――日本の作品が受賞するためには？

　幸いなことに、ベネチア国際映画祭では毎年のようにコンペに日本映画が選ばれている。２０１２年は北野武監督の『アウトレイジ・ビヨンド』、１３年 … ［続きを読む］

［12］第３章「端境期のセヴンティーン（４）」

加賀まりこのスタイル

　１９６０年４月１０日、麻布飯倉片町８番地（現在は麻布台３丁目）にイタリアンレストラン、キャンティが開店した。六本木の交差点から飯倉方面に歩 … ［続きを読む］

政治版クラウドファンディングで求められる政治家のプロデュース力！

　リチャード・ニクソン元米国大統領は、自著『指導者とは』（注１）において、「政治家は演技ができる必要がある」と述べている。　筆者も、政治や政 … ［続きを読む］

『ユリイカ　総特集・小津安二郎』を読む（中）――長谷正人の秀逸な論考など

　前回に引き続き、今回も『ユリイカ』特集号の論考中、私がとくに興味深く読んだものを紹介し、それらについてコメントしてみたい。　映画研究者・長 … ［続きを読む］

美輪明宏の人生は、確信犯的な「賭け」の連続だったのではないか

　実を言うと、『美輪明宏ドキュメンタリー～黒蜥蜴を探して～』は、最初は見るのを躊躇していた。届いた試写状で、黄色に染め上げた髪に三宅一生の白 … ［続きを読む］

「傑作」という言葉さえ無力化する、前人未到の“脳内ラブストーリー”――黒沢清『リアル～完全なる首長竜の日～』（３）　簡潔な場面転換、＜縦の構図＞の驚くべき立体感、＜幽霊＞＜廃墟＞など

　今回は、これまでに触れえなかった『リアル～完全なる首長竜の日～』の名ショット、名場面をピックアップしつつ、それに関する黒沢清の映画術に触れ … ［続きを読む］