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アメリカ景気回復期待に後退の兆し

藤井英彦

藤井英彦 株式会社日本総合研究所 調査部長/チーフエコノミスト

 アメリカの景気動向に異変がみられる。象徴的な動きが雇用動向である。本年入り後の推移を振り返ってみると、まず非農業雇用者数の増勢は本年1月以降、月を追って加速してきた。すなわち、1月の前月比1.4万人から、2月以降、3.9万人、20.8万人、29万人と増えて、5月には43.1万人増加した。しかし、増勢加速は10年に一度の国勢調査実施に伴う一時的な政府雇用が牽引役であり、5月の政府雇用者数は39万人増と、雇用全体の増加の大半を占める。

 一方、民間雇用者数をみると、3月15.8万人、4月21.8万人から5月には4.1万人増と増勢に急ブレーキがかかった。雇用統計を受けて、これまで着実に拡がってきた先行き景気回復の見方に対して疑問が拡がり始めている。

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