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菅首相の「死んだふり」?!

原真人

 参院選大敗のあと、菅直人首相の様子がおかしい。論客で、強気で、負けず嫌いで、怒りっぽく、多少傲慢とさえ言われる、あの「イラ菅」の人が変わったようだ。顔色は冴えない。声は小さい。おまけにやけに低姿勢だ。8月2日から始まった国会の審議でもそうした姿が顕著だった。

 2日の衆院予算委員会を報じた主要各紙の見出しを並べてみても一目瞭然だ。

 「おわび・撤回・弁明/論客首相、守勢に収支」(朝日新聞)

 「消費税答弁、首相及び腰」(読売新聞)

 「首相、守勢の国会論戦」(日経新聞)

 「首相、平身低頭」(毎日新聞)

 とにかくいつもの菅氏らしくない。まったく守勢一方なのである。

 野党時代にあれだけ自民党の歴代首相を厳しく問いつめた菅節はどこに行ったのだろう。首相記者会見でも最近は同様の調子だ。「やる気なし」。そう記者に思われるような無気力会見が続いている。

 こんな菅答弁に調子が狂ったのか、予算委員会で質問側もどこか同情的だった。自民党の谷垣禎一総裁は、消費税増税について「オレが説得するという気迫がほしい」と注文をつけた。自民党の石破茂政調会長にいたっては「私は野党のときの総理は好きだった。本当に気迫に満ち満ちていた」と嘆いてみせるほどだった。

 菅氏は茫然自失になってしまったのか。いや、私は、菅氏の「死んだふり」ではないかと疑っている。

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