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原油が手に入ればいいという厚顔――主要国は反省必要

小森敦司

小森敦司 朝日新聞経済部記者(エネルギー・環境担当)

 英国のブレア元首相やイタリアのベルルスコーニ首相ら欧州のリーダーたちは、いま、大いに困惑しているはずだ。なにしろ、自国民に銃を向けたリビアのカダフィ大佐と、握手したり抱き合ったりする写真が、インターネットで調べると、あふれんばかりに出てくる。いわゆる各国首脳らが展開した「資源外交」の消したくても消せない過去だ。

 リビアは03年12月に大量破壊兵器の廃棄を表明した。これに伴い、それまで米英の経済制裁で止まっていた石油や天然ガスの開発を活発化させた。リビアの原油埋蔵量は09年時点で443億バレル(英石油大手BPの統計)。アフリカ最大だ。しかも油質がよく、未開発地域が多いこともあって、世界のエネルギー企業の人気は高かった。

 で、各国首脳は、自国企業の権益獲得を後押ししようと、彼の地を訪れたのだった。わずか2年前の09年7月には、日本を含む主要国はイタリア中部ラクイラでの首脳会議で、カダフィ大佐をアフリカの代表との立場で迎え、厚くもてなしている。

 国際NGOはかねて、リビアに深刻な人権弾圧があると指摘していたが、

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