安井孝之
2011年04月02日
大学も経済界も最近は「グローバル人材」の育成に熱心だ。「若者が内向きになり、留学にいかない」「英語の成績は中国、韓国に比べてさんざん」。このままでは英語ができて、留学経験のある人材を確保できず日本はグローバルな商売からはじき飛ばされてしまう、と言わんばかりの勢いである。だが、そうした見方は正しいのだろうか。
71カ国に拠点を持ち、ファスナー事業の世界シェアは45%というYKK。日本でも有数の国際企業である。その吉田忠裕社長は「グローバル人材不足と言われてもピンとこない。そもそもグローバル人材って何ですか」と問いかけ、「人材不足」という見方に首をかしげる。
YKKグループの社員4万人のうち半数は海外で働く。日本からの赴任者は約600人。入社4、5年で最初の海外赴任につく。営業職などで入社すればほとんどが海外赴任し、在住期間が30年を超える社員もいるほどだ。
もしも若者が「内向き」になっているのなら、
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