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リニア新幹線/半世紀支える「地下飛ぶ航空機」

 日本の国際競争力の源泉は技術力だと言われてきたが、最近はそれもかなり怪しくなってきた。携帯電話のようにガラパゴス技 術といわれて強さを発揮できない分野も出てきたし、液晶テレビや太陽光電池など世界のトップを走っていた分野でもサムスンなど韓国勢に追い抜かれる例が増えている。世界最強の自動車産業ですら韓国・現代自動車の猛追にその地位を脅かされる有様だ。

 資金力にも、アニマル・スピリッツにも乏しい日本企業は、これからどうやって世界と戦っていけばいいのか。

 そのなかで、まだ世界ダントツの水準を保ち、門外不出となっている数少ない「お宝」技術がJR東海の「超伝導リニアモーターカー」だ。時速581キロの鉄道の世界最高速度記録をもつ。新幹線など線路の上を走る高速鉄道技術では、そこまでの記録は不可能だし、営業運転もせいぜい時速350キロていどでが精一杯だ。

 フランスやドイツ、そして最近では中国なども含めた他の高速鉄道大国でも事情はいっしょだ。つまり時速500キロで営業運転できる超伝導リニアはダントツ技術であり、世界でJR東海にしかない秘蔵技術なのである。それがいよいよ建設・事業化へと大きく踏み出すことになったのは、日本の技術競争力の面からも喜ばしいことだ。

 高速リニアと言えば、中国・上海リニアを思い浮かべる人がいるかもしれない。だがこれは同じリニアモーターカーと言ってもJR東海の超伝導とはかなり異なる、「常伝導リニア」技術だ。もちろん

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