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「良い値上げ」と「悪い値上げ」 電気代を考える

小森敦司 朝日新聞経済部記者(エネルギー・環境担当)

 太陽光や風力で発電した電気を電力会社が買い取る「再生可能エネルギー特別措置法」が8月下旬に成立した。経済界の一部には、この法律で電気料金が上がるとして、批判する声が根強い。でも、その矛先は、もっと違うところに向けるべきではないか。

 確かに、再生可能エネルギーはまだ高い。経済産業省の想定では、標準家庭で10年目に月150~200円の値上げだ。多く見積もると百円玉数個になる場合も考えられる。そして、この負担は、電気料金の明細に記されることになるという。 

海上に建設された風力発電所を点検する「ウィンド・パワー・いばらき」の社員たち=茨城県神栖市

 日本の電気料金は事業コストに一定の利潤を加えた「総括原価」方式で決められるが、

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