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元電子立国、低収益とヒット商品の不在

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 日本の株式市場では、電機産業の逆転現象がちょっとした話題になっている。

 日立製作所の株式時価総額が11月1日、1996年以来、約15年半ぶりにパナソニックを抜き日本の電機大手で最大になった。日立製作所は6月にソニーの株式時価総額を上回っていた。日立製作所は2012年3月期の連結決算で、売上高は前年同期比2%増の9兆5000億円に対し、純損益で2000億円の黒字予想。これに対し、パナソニックは同4・5%減の8兆3000億円、純損益は4200億円の赤字を見込んでいる。一方、ソニーは、売上高は同9・5%減の6兆5000億円、純損益は900億円の赤字予想である。かつて電子立国と呼ばれた日本の電機メーカーは業績悪化、コスト削減に苦悩しており、日本にとどまり、電機メーカーを分析・投資する外国人投資家は減少している。

 一方、米国では、アップルが今年7~9月期決算で、売上高が前年同期比39%増の282億7000万ドル(約2兆1800億円)、純損益が同54%増の66億2300万ドル(約5100億円)と同四半期としては過去最高を記録し、

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