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「仲間主義」からの脱皮を/多様性こそガバナンスの基本

安井孝之

 日本企業の企業統治(コーポレートガバナンス)の信頼性がゆらぐ事件が相次いでいる。大王製紙は放蕩癖がある御曹司経営者の暴走、オリンパスは財務を担当していた経営陣らの隠蔽、読売ジャイアンツは絶対権力者の横暴を、それぞれの社内の誰もが長きにわたり止められなかった。共通項は同質な社員が集まり、親分子分の関係を築き、異分子を排除する「仲間主義」が幅を効かせていること。日本の会社に本気で多様性を取り入れないと企業統治への信頼感は高まらない。

 

 オリンパスの高山修一社長の記者会見での発言を聞きながら、デジャブ(既視感)を感じてしまった。森久志副社長(8日解職)に20年近く続いていた損失先送りを聞かされるまで全く知らなかったと弁解するからだ。

1997年11月、破綻会見で涙を流す山一証券の野沢正平社長

 同じようなことが1997年夏にもあった。山一証券最後の社長、野沢正平氏も就任後に

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