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政治の混乱が、個人消費を失速させる

小原篤次 大学教員(国際経済、経済政策、金融)

 堅調だった消費にかげりがみられることが統計で読み取れる。

 7月の家計調査実質消費支出(二人以上世帯)は前年比+1.7%となった(図表1)。前年同月比では6カ月連続のプラスとなったが、前月比では▲1.3%と、6月の▲1.3%に続いて2カ月連続の減少となっている。また、住宅、自動車、仕送り金などを除いた「除く住居等」では前年比▲0.6%と2カ月連続の減少となる、前月比では▲0.7%(6月は▲2.1%)と、3カ月連続して減少している。昨年は東日本大震災の直接的な影響のほか、被災地以外でも自粛ムードがあり、今年度の景気にはもともと楽観論があったが、注視する必要がある。

 また、日本フランチャイズチェーン協会がまとめた7月の全国コンビニエンスストア主要10社の売上高は全店ベースでは前年比プラスを維持しているものの、既存店ベースでは前年同月比▲3.3%と、2カ月連続でマイナスとなった(図表2)。前年に比べて梅雨明けが遅れ、天候不順や気温が例年より低く推移し、アイスクリームなど季節商品の販売が伸び悩んだ。

エコカー補助金もまもなく終了

 これまで個人消費は、比較的堅調に推移してきたが、かげりが出始めている。好調だったことの反動や、天候、雇用回復の鈍さ、夏のボーナスが3年ぶりに前年を下回ることなどが影響している。8月は猛暑の影響でエアコンや扇風機の販売が好調だったが、7月後半から8月前半は、ロンドン五輪中継の影響で外出を避ける動きもあり、客足に影響を与えた。

 次世代自動車振興センターが公表したエコカー補助金の執行状況によると、

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