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自動運転のクルマの方が安全!? 潜在能力は「人間の100倍」

永井隆 ジャーナリスト

 ドライバーの安全運転を支援する自動運転車の開発が、トヨタ自動車や日産自動車で活発化している。日本を筆頭に先進各国が高齢化していくだけに、高齢者が加害者となる交通事故の減少に加え、交通渋滞緩和にも期待されている。

 車の運転は、(1)認知(2)判断(3)操作と、三つのステップがある。人によるこの一連の動きを、ICT(情報通信技術)の活用により車に担わせていくのが自動運転だ。

 トヨタは、高速道路の走行に限定する形で自動運転車を2015年にも実用化する。市販のガソリンエンジン車に搭載したコンピューターが、自動運転を制御。衛星利用測位システム(GPS )と、車に設置したセンサーが感知する情報から、例えば同じ車線内であれば白線からはみ出さずに、カーブで白線に沿って自動的にハンドルが操作される。スピードが出すぎて曲がりきれないと判断すれば、自動的に減速する。

 また、先行車両と無線通信しながら自動で追従走行し、精緻な車間距離を保つ。不必要な加減側も低減させるため、燃費向上にも貢献する。

 トヨタは、2年ほど前から公道実験を始めており、実用化にメドをつけた。高速道路に限定したのは交差点や信号機がなく運転が比較的簡単な上、歩行者もいないなど危険性が低いため。なお、トヨタの自動運転システムでは車線変更や追い越しはできない。
日産は、自動運転車の市販化を「2020年まで」としている。ただし、日産は高速道路に限定せずに、市街道をはじめ駐車場など、多くの道路環境で走行可能な自動運転車を目指している。

 車両は大型のガソリン車ではなく、電気自動車(EV)を使う。試作車は同社のEV「リーフ」。これまでは主に米国で日米の大学を巻き込みながら開発を進めてきたが、今秋から

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